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2018年ベスト海外ドラマ トップ10

2019-01-05 08:00:00 | 海外ドラマ
2018年は、過去最高数の海外ドラマを見た。大半はNetflix作品であり、同社による2018年のリリースラッシュは凄まじく、影響をもろに受けてしまった。年は明けてしまったが、2017年同様、海外ドラマのベスト10を勝手に決めてみる。映画と違って、どれだけ楽しめたかだけ。

1位 ボディガード -守るべきもの-


警護の”仕事人”たる男の生き様と、裏側に隠された闇。命の危機に直面する人間の反応が生々しく描かれ、密着する人間ドラマも的確で誠実。濃密なスリラーとミステリーにずっと釘付けになる。各話にクライマックスが用意されるサービス精神にも感謝。


2位 ワイルド・ワイルド・カントリー


嘘みたいな本当の話。カルト教団が田舎町をのっとる事件を振り返るドキュメンタリーは、まるで連続ドラマのようで見ると止まらなくなる。当事者たちの過去と現在をシンクロさせる構成が斬新で効果的。彼らに与えたものは何か?感動の余韻と、宗教の真髄を垣間見る。


3位 ナルコス メキシコ編 シーズン1


満を持しての「メキシコ編」は堂々の船出。メキシコカルテルを生んだ男と、DEA(麻薬取締局)の精神的礎を築いた男の運命が交錯。永きに渡る麻薬戦争の歴史教材として、また、ダイナミックな犯罪スリラーとして、さすがの面白さ。


4位 マーベラス・ミセス・メイゼル シーズン1


まだまだ理解できない「スタンダップコメディ」の面白さだが、笑いの本質は、和製の漫才やコントと変わらない。保守的な時代にあって、自立することを選んだ主人公の鮮やかな転身と、場の空気を笑いで一変させる話術に魅せられ、ひたすら痛快。ご機嫌な50年代の音楽と、美しい衣装にアガる。


5位 ジ・アメリカンズ シーズン6


有終の美。納得の結末。アメリカに潜伏し「アメリカンズ」となったスパイ一家の落とし前に、震える。設定は極めて特異だが、中身は普遍的なホームドラマだった。また、強制的に家族となった主人公2人の恋愛ドラマであったことを最後のカットで実感。


6位 スタートレック ディズカバリー シーズン1


SF万歳なドラマ。「宇宙を放浪するクマムシでジャンプ」「パラレルワールドで別人になりすまし」など、知的好奇心を刺激するプロットの数々と、それらを支える緻密な脚本に圧倒される。宇宙モノには珍しい、アフリカ系の女性ヒロインも魅力的。


7位 オレンジ・イズ・ニュー・ブラック シーズン6


シーズン2と並ぶ、傑作のシーズン。喜劇と悲劇がこのドラマの真骨頂。対立する刑務所の勢力図で、正しいことに奔走するキャラクターたち。報われる人生と、報われない人生のコントラスト。次が最終シーズンになるとのこと、楽しみ。


8位 ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス


アメリカでは本作を2018年のベストに上げる人も多く、非常に野心的な作りのホラードラマ。呪われた家に住んでいた5人兄弟の思い出と、大人になった彼らに進行形で及ぼす恐怖。怖さよりも、描き方、見せ方の面白さに唸らされる。幽霊の捉え方は映画「A GHOST STORY」に良く似ていて、家族愛に回帰されるドラマに感動を覚える。双子兄妹の幼少期を演じた子役2人がめちゃくちゃ可愛い。


9位 アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺


犯罪歴史ドラマシリーズの第2弾。暗殺事件の発生を起点として、事件に至った経緯を9話に渡り振り返っていく。「嘘つき」の血統を持った主人公は「特別な人間」であることを信じ、教養と話術で上り詰め、その限界に達したのち、転落していく。暴力の味を知ってしまったが最後、妄想を現実化することに歯止めが利かなくなる。憧れから憎しみへ、恐ろしくて切ない物語が展開。浮上するのは、同性愛に対する時代の罪。「glee」のブレインこと、ダレン・クリスが連続殺人犯の男娼役を熱演。

10位 バリー シーズン1


2018年最も笑ったドラマ。殺し屋として真面目に働く男が、見つけた新たな生きがい。暗殺と演劇のまさかの2足草鞋の生活。2つの生活が互いに影響を及ぼす様が見事。コメディで遊ぶばかりでなく、人殺しの業をシリアスに捉える視点も良い。オープニングのタイトルバックまでの寸劇が秀逸。


次点 「DEUCE シーズン1」

ワースト 「ハウス・オブ・カード シーズン6」

掘り出しもの 「カー・マスターズ ~スクラップがお宝に変わるまで~」
NETFLIXのリアリティ番組。何の気なしに見たのだが、あまりにも面白くてハマってしまった。車を改造し、高値で売り、それで得た資金でまた車を改造し、さらなる高値で売る、これを繰り返し、10万ドルを獲得するまでを追った番組だ。映画「アイアンマン」のパート1で、主人公のトニー・スタークが、洞窟内のガラクタでロボットを作った面白さと似ていて、この番組でも、DIY先進国のアメリカの強さを見せつけられる。できるだけお金をかけずに、あらゆる部品をかき集め、再利用し、新たなコンセプトをもった自動車にリメイクする。車に興味のない自分だが、完成された車の造形がどれもカッコよくてシビれてしまう。なお、あとで調べたら舞台となる改造工場は実在するものの、代表の男を除いて参加メンバーは架空らしい。なるほど、これがアメリカの「リアリティーショー」というやつか。

ほかに見たタイトル(シリーズもの)は以下のとおり。()内はシーズン。
「ツイン・ピークス The Return(1)」「ハンドメイズ・テイル(1)」「ビリオンズ(1)(2)」「ロスト・イン・スペース(1)」「アンという名の少女(2)」「オザークへようこそ(1)」「クィア・アイ(1)(2)」「マニアック」「ジャック・ライアン(1)」「ウエストワールド(1)(2)」「ベター・コール・ソウル(4)」「悪魔城ドラキュラ-キャッスルヴァニア-(2)」「アトランタ(1)」「KIZU―傷―」

2018年は楽しみにしていたシリーズが軒並み期待ハズレだったり、「ゲーム・オブ・スローンズ」の最終章が2019年に伸びたり、喜べない場面が多かった。しかしその半面、新たに面白いシリーズをいろいろと見つけることもできた。なかでも「マーベラス・ミセス・メイゼル」は想定外の面白さで、引き続き、現在配信中のシーズン2を見ていこうと思う。
もはや、NETFLIXの存在感は自分のなかでは、映画やテレビと並ぶジャンルにまで肥大化していて、オリジナル映画を含めて、今年のNETFLIXのラインナップもかなり大変なことになっている。
昨年の年末、NETFLIXが誇る傑作オムニバスドラマ「ブラック・ミラー」の2時間ドラマが配信されていたので言及する。「ブラック・ミラー: バンダースナッチ」というタイトルで、展開の分岐点で、主人公の行動を視聴者自身が選択して進めていくというインタラクティブドラマだった。途中、別の選択をしても、1方向にしか進めないパターンがあって「意味ないじゃん」と途中で離脱。結果、面白かったのかわからないけど、こうした新しいチャンレンジは歓迎すべきことだ。今回のドラマで多くの課題が見えたと思うので、また面白いコンテンツを作ってくれると信じている。


最後に、海外ドラマと関係ないけど、日本のテレビ番組で印象に残ったドラマとバラエティ番組を残す。

【日本のテレビ番組】

TVドラマ「宮本から君へ」(テレ東)
がむしゃらに全力で生きることのカッコよさ。ビジネスが人間の絆で結ばれていた時代の輝き。主演、池松壮亮の新境地。真利子監督、またテレビドラマを撮ってほしい。

バラエティ番組「かたせ梨乃が進駐軍の前で踊り狂った時代…とマツコ」(日テレ)
エロスではない日本の風俗史を探求、考察した知的バラエティ。攻めた企画と貴重映像の数々に驚愕し、女性への敬意と愛を込めた内容に深く感動。マツコが女性を愛する理由。


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