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法律雑感 (アキレス)
2009-12-12 22:27:03
まじでやばいのではなく、先生が少々誤解しているだけです。わたしが法学部を出たのは一昔前ですので当てになりませんけど、少しだけ聞いてください。

1.日本の民法は最初、フランス民法典をモデルにしようとしたのですが、後でこれをドイツ法に切り替えています。だから法律研究者になろうとする者は、明治以来、ドイツ語をやることになっているのです。法学部では法制史を研究する者以外は、フランス法・フランス語はほぼ無視して差し支えない扱いでした。

2.法律用語が難しいのはどこの国でも同じで、日本法だけではありません。英米のロースクールに留学した人の体験記を読むと、英語の法律用語のほとんどはラテン語で、日常英会話で使わない用語を大量に覚え込む羽目になったとか。明治時代の翻訳者たちは漢学の素養のある人たちですから、ラテン語の法律用語を難解な漢語に置き換えて取り込もうとしたのでしょう。ひらがなでは抽象的概念が表現できないから。

3.明治時代に制定された難解な法律用語がなぜそのまま生き残ったのか。「それは法律を専門家だけの独占物にして、一般人を近づけないためだ。」と冗談とも本気とも受け取れる口調で教授が話していたのを覚えています。そもそもこの社説は、一般人でも理解できるように法律用語を平易なものにして、法を国民の身近なものにしようという趣旨です。何度読み返してみても、わざわざフランス語だのドイツ語だのを持ち出す必要があるとは思えません。何でもかんでも外国語に関連づけて考えるのは、先生の癖なのではありませんか。
 
 
 
法律雑感-追記 (アキレス)
2009-12-13 08:47:15
4.憲法、刑法、訴訟法もドイツ法をモデルにしたものですから、法律学を志す者にはドイツ語が欠かせなかったわけです。しかし戦後、アメリカ法の影響が強くなります。というより、アメリカ法をモデルにしろと占領軍に強制された。刑事訴訟法、独占禁止法、行政法はアメリカ法系だと言われています。だから一般にはあまり知られていませんが、ドイツ法系の刑法とアメリカ法系の刑事訴訟法を組み合わせて使っているので、不都合が生じる場合があります。フランス法系の法律があるという話を、わたしは聞いたことがありません。

5.最後にこれがいちばん言いたいことなのですが、法律は飾っておくものではなく、実社会で使うものです。使えばいやでも社会の現実とぶつかることになります。法の理想と社会の現実にはズレがあるので、軋轢が生じます。そして判例が積み重なっていき、たとえ最初は外国から輸入した法律であっても、次第に法律が社会になじんで根付いていくことになります。社説が判例に言及しているのは正しい指摘です。

日本で英文学、仏文学の研究がいくら盛んになろうとも、本場は永遠にイギリスでありフランスです。したがって本場を永遠に仰ぎ見ることになります。しかし日本法の本場は日本なのです。決して、ドイツやアメリカではありません。
 
 
 
ありがとうございます! (raidaisuki)
2009-12-17 09:48:17
アキレスさま

 貴重なお教えをありがとうございます!

 ただ、ごめんなさい、このことに関してはちょっとわたくしの方も言い足りない気がいたします。
 時間がありますときに考えてみます。
 結局何も書けないかもしれませんが・・・
 
 
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