夏が来た、
静かな五月の昼、 湯沸(サモワル)からのぼる湯気が、
紅茶のしめりが、
爽やかな夏帽子の麦稈(ムギワラ)に沁み込み、
うつむく横顔の薄い白粉を汗ばませ…
北原白秋 「五月」より抜粋
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卯の花 郭公 麦の秋 若葉 蛇苺…
代掻シロカキ 蚕豆ソラマメ 青ざし…
うつむく横顔… 薄いおしろい 汗がうかんで…
夏帽子が 日傘が通る
サングラス 自転車 日焼け止め パパと僕 毎日日曜日
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不思議の国の少女たち
山本容子のワンダーランド 埼玉県立近代美術館で 5月16日まで
軽やかな線描の おしゃれで繊細な銅版画。 いつしか 物語のなかに引き込まれている。 愉快で不思議なせかいに足を止めて。
身のまわりの細々したもの ありとあらゆる物の小さな絵… 犬の歯 指ぬき ブローチ。 髪の毛、 鹿の毛(明確な違いが描き分けられて)。 おもちゃ箱の中味 (あやとり おはじき ラムネ ビー玉 べーゴマ…) 食べたものの記録? (野菜いろいろ 粟おこし 落花生の殻の網のような模様まで 「すこんぶ」さえモチーフになっていた きなこ飴etc. オペラ ジャズを題材に 200点
もういちど見にいかなきゃ
新聞に紹介されているのを見て、多分お出かけになると思っていました。
素敵な出会いを我がことのように喜びます。
蛙さんの豊かな情感がさらに膨らんで、俗の最たる身では手が届かなくなるのではありませんか。
楓の写真も、こうなのですよね。大きく枝を張った樹の下は、独特の薄らとした湿りと、裏葉のそよぎの合間に透ける初夏の空。季節の移ろいをしみじみ実感するひとときでした。
山本容子さんの不思議なせかいに遊ぶ。作品が多くて戯れるのはこれからです。洒脱さにひかれます。