別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

どんな…

2011-08-15 | こころ模様

  のこされた手紙を 読みかえす
   顔も思いだせないけれど
    いくつになっても 父が恋しい

 

    
   葉書だけで 想像する
   肉声を聴くような気がして なんどでも読む      

   ほんとうは  どんな声で話したの
   年をとったお父さんは  どんな匂い? 
    どんな貌  どんな性格…

    どんな趣味を持って
   
    困ったときは  どんなアドバイスして
     怠けていたら  どんな風に叱るの    
  
    

    父を奪った戦争を ぜったい許さない
       
      お骨もない  遺品もない  思い出もない
     
    わたしは  戦争を憎む

           
     

 

 

 

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2 コメント

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それぞれの戦禍 (ふくら雀)
2011-08-17 14:25:55
戦いにかけがえのない大切な父親を奪われた蛙さんには、戦争はただ呪わしいだけのものではなく、やり場のない憤りをもって毎年繰り返される記念日ですね。
家を失い、友人を失い、「かつて日本民族というものありき」と世界史に記されるまで、戦い抜くのだと叩き込まれてきた幼い頭には、消化できかねる「戦後」でした。
傷跡は自分でも思いがけないときにふと顔をのぞかせます。
もう、戦中、戦後を語り合える人も少なくなってきました。
せめて、自分の生ある限りは忘れずに祈り続け、追悼していこうと決めています。
「生きて虜囚の辱めを受け」ることとなり、引き揚げで帰還したわがあるじと、この八月は「戦争」をしみじみ語り合っています。
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祈りの月 ()
2011-08-17 16:01:03
 それぞれの戦禍… 幼い自分の記憶にはさほどありません。家の屋根すれすれに飛んだ機影が、黒く巨大だったことだけ。防空壕の中のようすなど。
 「せめて、自分の生ある限りは忘れずに祈り続け、追悼していこう」
 震災にも重ねて、もっと悲惨な方たちに思いを馳せました。両親とも亡くした子等にどんな言葉をかけたらよいか。 とにかく前を向いて、両親に誇れる自分になって…
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