別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

空っ風~

2014-01-26 | こころ模様

 

 あれほど温かだったのに、出かけてくれば急に風向きが変わって、 強風がごぉーごぉと唸りをあげ幹をしならせた。 すっきりした樹形はポプラの仲間だろう。 冷たい横風が煽るのでペダルが重い。

  冬は葉をすっかり落として見晴らしがよい。 澄みわたる空気、 昆虫の背のようにひかる屋根は埼玉スタジアムの銀色。

  凩が叫ぶ。  
木の葉落ちつくせば、数十里の方域にわたる林が一時に裸体(ハダカ)になって、蒼ずんだ冬の空が高くこの上に垂れ、武蔵野一面が一種の沈静に入る。 (国木田独歩 「武蔵野」)

 遠い物音があざやかになる…   

 ここまで急な坂道をなんども登り下りしてきた。 やがて下の方から太鼓の音がする。 風に舞いあげられてドンドコドン!! 大層威勢がいい。 広場に幟やテントが小さく現れた。 白地に黒く 「冬まつり」の文字が読める。
 冬まつり… か。 寒さも楽しんで駐車場は埋め尽くされ 人影がかたまりになって望める。

 それにしても なんて寒い~

  北風にあらがふことを敢へてせじ   風生

  胸中に抱く珠あり空ツ風         風生

 瞬間風速20m、 よろよろしながら家路につく。 何となく選ぶ句がどれも風生ということがたのしい、 きっと感性がよく似ているのだ。

 

    

 

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2 コメント

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Unknown (東風)
2014-02-01 12:58:50
蛙さん!!おなつかしいです!!相変わらぬ見事な腕前のお写真の数々、楽しく拝見いたしました。姑の感覚がおかしくなって私まで異様な心持ちとなり、老健施設に預けることとなりました。庭は荒れ果て、私の心も人というものの壊れてゆくありさまを目の当たりにして、奇妙に乾いた風が吹いております。優しく暖かな蛙さんの記事と写真の中でまた遊ばせてくださいませ。
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しばらくでした ()
2014-02-01 22:17:14
東風さん いらっしゃいませ。 お声を聞かなくなってどうかなさったかと心配しました。 ご本人の気持ちにどう接したらよいか、ケアのしかたに家族は悩みますね。 幸い母も姑もさいごまでしっかりしていたので助かりましたが、私が中学の頃一緒に暮らした曾祖母は異常行動を繰り返しだんだん壊れてゆきました。 今のような施設もなく、 家族は近所のひとにお願いし世話をしてもらいました。 家族にもできることとできないことがある、介護は専門家に… その時学びました。
 
 やさしい東風さんは悩まれたのでしょう。 つたない絵日記ですが、お心安めになりましたらうれしいです。 ゆっくりご自分をとり戻してくださいね。 ありがとうございます。
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