別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

理想の家

2013-03-15 | 別所沼だより

 3月4日 小さな家を訪ねた。 

ながむれば千々に物思ふ月に又我が身ひとつの嶺の松風 (新古397) 
枕とていづれの草に契るらむ行くをかぎりの野辺の夕暮 (新古964)

 

    鴨社の歌合とて、人々よみ侍りけるに、月を

 石川や瀬見の小川の清ければ月もながれをたづねてぞすむ (新古1894) 
  
  すむは 「澄む」 住む に掛かる。
  「住む」には 神が住む (宿るの意か

 いずれも鴨長明の歌。 京都市左京区、 糺の森に囲まれる下鴨神社(賀茂御祖神社カモミオヤジンジャ)  表参道に並ぶ流れが瀬見の小川、 石橋を過ぎて河合神社へ。


 

神官の家に生まれた鴨長明は重職に就くものの50歳の春出家、 厭世感を抱きやがて「方丈記」を書いた。

 河合神社境内に再現された 鴨長明の方丈

 広さは3メートル四方、わずか5畳余。 その極小空間に、
 阿弥陀如来と普賢菩薩の絵像や法華経…… 歌書や楽譜、  琴と琵琶など 
  最低限のものだけ置いて…   久保智祥(朝日新聞から)

  60に近づいたころ余生を送るための草庵をつくった。 理想の家は、 移動に便利なように、 すべて組み立て式である。 土台の上に4本の柱を立て、屋根は葺くと言うより上から覆う。 材の継ぎ目は掛け金にかけてつなぐ。 簡単に好きな場所に移せる。

 

 (同じ画像が2枚あるのは、 室内が見えにくいためコントラストを変えたものです)

 

  ご案内は  拡大して  

 

  魚や鳥のようすを見て欲しい、魚は水の中にいてそれに飽きはしない。魚でなければそのこころはわからない。鳥は林の中にいることを願う。 鳥でなければそのこころは解らない。 閑居の心境というものこれと同じ…

 住んでみてはじめてそれがわかる。  こころは豊かに 
  身辺スッキリ 見習いたい。 

 

 

コメント (4)
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