別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

面白い古典

2012-03-14 | こころ模様

新刊  「心ときめきするもの」 清川 妙   新日本出版社

表紙「春風馬堤曲」首藤教之画

 

  知っている話、 知らなかったものがたりの奥深い知恵、笑いと哀感がにじんでいる。

 新聞に掲載されたエッセイを一冊にまとめて。 連載は今も続いている。 
 

 新刊から ほんの少しご紹介すれば

 

 

 

小声のアドバイスの優しさ 「十訓抄」 ちょっといい話
悲しみの中に灯るおかしさ 「世間胸算用」 蛸売り八助の失敗
清貧に生きた楽しみ上手 「独楽吟」 橘曙覧の五感の冴え 
 
   
ほか多数を  読み込みたい。

 古典がグッと近くなった。 解説はみじかく 楽しく。 小気味よくて、 面白いなあ… 今もおなじ… それぞれの物語りの他のはなしも読んでみたい。 知ってよかった、 心がゆたかになった。 年を重ねても 自分の成長が楽しみになる。 心の芯を建て直して、 これから蛙もいきいきと暮らしたい。


 3月10日は贅沢な日だった。 なにしろ 清少納言と紫式部が出会ったのだから。 
 そう思わせる 清川 妙先生と山本淳子先生の対談があった。 読者を 雅な平安の世へ、 枕草子と源氏物語のせかいへと、 やさしく わかりやすく、 いざなうおふたり。  

すばらしき出会い。



 何度も読んでいる 
  うつくしきもの枕草子 小学館

 定子後宮の高い文化や品の良さ、 清少納言の夢のような宮仕えに惹かれた。 

 中宮定子の花びらのような小さな手…  機知に富む会話。  先生のふっくらと優しい表現で、 すっと馴染む、 読者はそこに居合わせたように ハラハラ、ドキドキしながら、 やりとりを見つめる。 声が聞こえる、 音がする。  古典はむずかしくない。 美しい挿絵とともに楽しい一冊だ。
  



  「源氏物語の時代 一条天皇と后たちのものがたり」も 二度読んでスッキリ。 一条天皇と中宮定子、定子と彰子。 清少納言と紫式部。 それぞれの背景がしっかり解って満足した。

 対談のなかにあった紫式部の清少納言批判もイギリス王室に喩えられて面白く納得した。 いつまでも話題にのぼるダイアナ妃にかさねて…

   

「私が源氏物語を書いたわけ」 山本淳子
  紫式部のひとり語りも 毎晩たのしみに聞いている。 

 

 

 

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