きのう梅雨明けした。朝からモワッと蒸している。きまって午後になると晴れてくるんだ。 そんな朝ぐもり(朝曇)を横目に、
『世の中に、わぅー たえて 雷のなかりぃせば… 大嫌い! 』 とrugbyが言う。
それはねえ…
庭で遊んでるときだった。出し抜けに息づかいも荒く、歯の根も合わずといった感じで飛びついてきた。目がすわり、はあはあと、ただごとでは無い。 こちらは何がなんだか訳が分からない。
へえ! お前にもこわいものがあったのかい?
庭に、そんなの住んでたかいな? と呑気である。
人には分からない電磁波を、テレパシーで捉えられるのか。嫌いな音波も即座につかまえる。遙か山向こうのそれだって、キャッチできるらしい。
ひとが変わったような彼は 「さあ、上がろう! 速く! 速く!!」と、敷居に足をかける。放っておいたら、泥足で上がり込んでしまった。
膝に無理矢理とび乗って、がたがたと震えながら、かじり付く。涎まで垂らしている。 こんなに気に入られたって、なのである。 その頃になってやっと、蛙にも小さく雷鳴が聞こえてくるのだった。
ご先祖がよほど怖い目にあったんだね。しっかりDNAに組み込まれ受け継がれている。
蛙には何の前触れもなく、彼だけがそれを察知してパニックになる。猪のごとく突っ走る。散歩先でも、勝手に公園をぬけ、猛スピードで車道に出てしまう。危険この上ない。輪禍で命をおとす仲間を何度も見ていた。
近所には、鎖を引きちぎり逃亡したものさえある。3日間、音沙汰なくて諦めていたところ、保健所から連絡があった由。引き取りに行くと、顔をくちゃくちゃにして飛びついてきたそうだ。目もくぼんでやつれ、哀れだったそうな。 翁丸かい? 主人に再会し、心底うれしそうだったと、涙ぐんで話していた。
ゴロゴロにビックリ仰天、飛び出したものの、雷雨の中をさまよい、家も分からなくなったのね。線路を越えてさらに西へ、余所の庭に潜んでいたところを保護された由。それは優しくしていただいて。 それでも元の家を忘れず、物思いに沈んでいたとか…
夏本番! 雷の季節である。
それは太鼓や、爆竹の音でも同じ。何度遭っても慣れません。
夏祭りや花火大会は、ご遠慮したい。
こうして、朝ぐもりの季節は、じつに恐ろしいのである。
今は聞こえないから、平和なんだ。rugの心はのどかなるらし~