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航空基地開設56周年記念式典~「君が代」と赤とんぼ

2015-09-28 | 自衛隊

つい昨日のエントリで前回の航空基地訪問記がようやく終了したのですが、
まさにその基地にまた行ってきました。
基地開設の記念式典にご招待をいただいたのです。 

P3-Cの教育隊として現在パイロットを育成しているこの基地は、
もともと終戦直前に陸軍がゴルフ場に作った飛行基地で、終戦後は
GHQが接収していましたが、米軍撤退後、日本に返還された基地を
自衛隊が運用することになったのが今から56年前というわけです。

開設記念行事は、大きなイベントをあまり行わない教育隊基地にとって、
こう言ってはなんですが、数少ない「ハレ」の場なのです。



しかし、この基地は車で行くのが一苦労なんだな。
なにしろ、高速を降りたら幹線道路は激混み。
近道をするにもこのあたりはほとんどが二車線道路で、週末は車が動きません。



ようやく基地の近くのコンビニにたどり着いたら、
基地に入る前に休憩をしているらしき人ばかり。
お店の前のお店の前のスーツの紳士は、どこかで見覚えがあると思ったら、
海自のイベントでよくお見かけする、元自衛官(偉かった人)。

シルバーの車の左には、陸軍軍人が5人 で談笑していましたが、
すぐに小さな車でぎゅう詰めになって出て行きました。
われわれもそれに続いて基地に向かいます。



基地の中に入る為には、前もって送られてきた駐車券をダッシュボードに乗せ、
ゲートを通過して係の指示に従います。
駐車場は幾つかあるようで、最初いただいた券は黄色でしたが、
直前になってなぜか赤いのが送られてきました。



式典開始までの1時間、この部屋で待機している間
同室の方々の全員と挨拶をしました。

地球防衛協会、国某協会、水交会等、山ほどの肩書きのついた(いつの間に・・・)
「防衛名刺」を配るチャンスです(笑)




前回この部屋で海将とお話したときには気づかなかった橋本龍太郎元総理の揮毫。
先日安倍首相の書と習近平の丸文字を比べて中国人が嘆いていましたが、
(時々見る習近平の毛筆書は本人のものではないという噂あり)
橋本総理は達筆だったんですね。

日本国の総理ともなれば達筆で当たり前と思ってしまうわけですが、
民主党の歴代首相、岡田代表、福島瑞穂、志位和夫の字は皆酷いものです。
書は人なり・・・?



その点、自民の政治家は、この点昔から与党体質なので、
トップに行くほどある時期から手ほどきを受けたりするのかもしれません。



時間になったので全員でバス移動することになりました。
なぜかファクシミリの上に佐官用の正帽が・・・。



来客があるとき、壁の帽子掛けでは足りないので、わざわざこのように
帽子置きのための台を(しかも白いクロス掛け)作るのが自衛隊。
中では式典に出席する陸自の佐官クラスがご歓談中。
もしかしたらさっきコンビニで見た人たちかな?



エントランスにはおそらく来客に見せるために、
相撲大会に(ここ伏線)この夏優勝したというカップと賞状が飾ってありました。
大会の名前が「笹川相撲大会」というのですが、どうやらこれらしい。

笹川相撲祭り



教育集団司令、基地司令がいる建物からまっすぐ正面玄関を歩いて行くと、そこには
訓示台があるというわけです。



真正面に横付けされたマイクロバスに乗って、式典会場のある
飛行場エプロンまで移動します。

今日は「基地祭」でもあるので、一般の見学者がすでに構内に入ってきています。
自衛官のパパに運搬されている赤ちゃんもあり。



会場が見えてきました。
防衛大臣やもちろん総理大臣が来るような規模の式典ではありませんが、
防衛政務官クラスは来るはずなので、バスの通り道には警衛が立ちます。



白いのは全体を監視するためのやぐらでしょうか。



割り当てられた席に着くと、柵で仕切られた一般見学者に囲まれる形になります。
C-1やCH-47Jなど、展示機もありますが、人出はこんな基地祭にしては異様なくらい少ない。
入間や総火演のように、スペクタクルな「見もの」があるような基地祭ではないので、
近隣の住人をお招きした感が漂うアットホームな雰囲気です。

昔はどこの基地祭もこんなものだったんでしょうけどね・・。



格納庫の上部に書かれた「ELV98FT」は空港コードというやつでしょうか。



なんと式典参加部隊は全員整列して列席者が全員席に着くまで直立不動。
いつもいつも思いますが、いかに鍛えているとはいえ、微動だにせずに
姿勢を伸ばして立っているのはそれだけで体力が要りそうです。

「防大生のときに観閲式に参加したけど鼻とか痒くなっても掻けないから大変辛かった」

と中の人の赤裸々な告白をお聞きしたことがありますが、
鍛錬によってそんなことも感じないようになってくる・・・のかもしれません。



左から、二佐二佐二佐三佐一尉。



海曹の前に立っている三尉はウィングマークを胸につけています。



やっぱり海自のセーラー服はかっこいいなあ。
なんと!真ん中の海士長は体力・水泳両方の徽章持ちだ!



さて、いよいよ式典の開始です。
国旗と自衛艦旗を先頭に、儀仗隊が入場してきました。
それにしても、紅白の二色である日の丸と自衛艦旗が、目にも眩しい
白の制服をまとった男たちの隊列によって運ばれてくるこの光景の美しさよ。



国旗・自衛艦旗が通り過ぎるにしたがって、隊員たちは順に敬礼をしていきます。



挙手をするタイミングは最前列の隊員が決め、後列はそれに従います。
遠くから見ているとちょっとウェーブを見ているようでです。



旗が隊員たちの手によって壇上に掲げられ(冒頭)、
全員が起立する中、国歌演奏が行われました。

「君が代」を歌ったのは、中川麻里子1等海士。
声を聞く限りクラシックの声楽を専門的に学んだ方に思われました。
調べたところ、愛知県芸の大学院を出ているそうです。



せっかくなので歌っている顔をアップ。
彼女の歌声はこんなです。



続いて祝賀飛行が行われるというアナウンスがありました。


基地に到着したときに祝賀飛行とあるパンフレットをいただいたので、
案内の方に「祝賀飛行って何が来るんですか」と聞いたのですが、
「わたしは知らないんです」と悲しそうに言われました。

何が来るのかな?空自からはF-2もきたりする?
とワクワクして待っていたところ、

「右手をご覧ください。我が基地の教育隊のP-3C対潜哨戒機が2機参ります」



おおう、キタキタ。
オライオンはスピードがそんな速くなくて体が大きいから写真がとりやすくて好き。
まあ、そんな写真ですら画面が暗く写ってしまう今日の曇天なんですが。
そして、二機目のP-3Cが続いて通り過ぎました。




「これで祝賀飛行を終わります」

( ゜д゜)「・・・・・・・・・・」


終わりかいっ!

この二機のオライオンは、式典の間どこか時間を潰すために飛んでいて、

次のアナウンスの時にはきっちりと帰って来て着陸しました。
こういうタイムスケジュールを淡々とこなすのが、凄いってことなんでしょうな。



この後基地に離陸したP-3C。

ちなみにこの2機は、本年度観艦式に受閲される機体だそうです。




というわけで、まずは主催者である教育航空群司令の挨拶。
ここが先日の水害での自衛隊派遣の要地となったという話をされていました。



続いて地元市長のご挨拶。随分と若い市長さんです。
民主政権時代無所属で民主党の推薦を受けて選挙戦に出て当選したようです。
なお、あの事業仕分けのときには市でもいろいろとやった模様。



壇上の来賓は一人ずつ名前を呼ばれて立ち上がっていましたが、
ついでに?大声で「おめでとうございます!」という人多数。
佐藤正久・宇都隆史の「元自コンビ」始め、国会議員は全員代理の出席でした。



式典の終了に際し、国旗・自衛艦旗が退場します。
今度は逆から「敬礼のウェーブ」が起こります。

こんな写真も晴れて青空がみえていればもっと美しかったのにな。

昼食会での挨拶によると、基地司令は、天気予報が思わしくなかったので
今日雨が降るかどうかが気になって、4時に起きてしまったとのこと。

確かに1日すっきりしないお天気で、見ての通りどんよりと雲が厚かったのですが、

雨は「微か」程度の霧雨がほんの時々感じられた程度で、
無事に全ての行事が行われることになりました。

ただ残念だったのが、P-3Cの体験搭乗の航路が短縮されてしまったことです。
どうして天気が悪いとコースが短くなるのかわかりませんでしたが・・。



ところで、そんな天気でエプロンに水溜りの出来ていた部分があるのですが、
その辺を飛び回っていたツガイのトンボが、繁く地面に降下して、
後ろのトンボが尾の先を地面に何回も叩きつけていました。
あまりにも不思議な動きだったので、挨拶を聞きながら望遠レンズで追いかけてみました。

・・・・って何やってんだ。




こんな感じ。
オスの尻尾の先とメスの首の付け根には、連結器と呼ばれる
接合するための突起があるのでつながることができるそうで、

メスの尻尾とオスの首では接合できませんし、同性同士も不可能だそうです。



これ、オスが自分の女(笑)を他のオスに取られないように確保してるんですってね。
で、メスは水に尻尾を何度も叩きつけるようにして・・。
もしかしたら産卵してますか?

うーん、せっかくだけど、ここはすぐに乾いて水なくなっちゃうよ?



と、わたしがとんでもない観察をしている間に、滞りなく式典は終了し、
式典参加部隊は、横須賀音楽隊の奏でる「軍艦」の調べに乗って退場していきました。



続く。





 

 

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