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自衛隊観艦式観覧記~「がんばれ、ミサイルくん」

2012-10-30 | 自衛隊

こんな巨大な写真でアップするようなもんか?

という声が聞えてきそうですが、いいんです。
エリス中尉、この「ミサイルくん」がすっかり気に入ってしまったものですから。

このミサイルくんを演じた自衛官が誰だか分かったら、
この写真をパネルにして贈ってもいい、というくらい、萌えました。

先日、わたしが「自衛官カフェ ひゅうが」と書いたことについて

「自衛官カフェ」はいいですね。思わず想像してしまいました。

というさくらさんのコメントがありました。
最近コメントが多いのですぐにトップページから消えてしまい、
読んだ方があまりいないのではないかと思いますので、再掲しますと、
それに対するエリス中尉の返事は

「自衛官カフェ」
注文を受けた自衛官は必ずびしっと敬礼をしてくれ、
メニューには「海軍カレー」「海軍コーヒー」「自衛隊の缶詰ケーキ」、
また日替わりで各自衛艦の自慢のレシピによる「本艦のメニュー」があり、
BGMは海自音楽隊。

必ず1時間に一回「行進曲軍艦」が演奏されます。

お店のアトラクションは、寸劇「CIWSくんとミサイルくん」などのコントを
若い自衛官たちが身体を張ってやってくれ、
さらにお勘定を済ませると総員が白手袋を付け、帽振れをして送り出してくれます。

こんなカフェがあったら、絶対行きたい!


あ、ついでに、この際妄想全開で付け加えれば、この店では客にもそれなりの「海軍度」が求められ、
注文の際には必ず敬礼して
「願います」
と言わなくてはなりません。
入店するときは必ず掲揚されている自衛艦旗に向かって一礼し、さらには「願います」を
「ねえす」
と発音すれば「ただ者ではない!」と思われ、VIP扱いされます。


という具合に、相変わらずのエリス中尉ぶりを発揮しているようです。(←人ごと?)

前置きが長くなりましたが、このコメント中の「CIWSくんとミサイルくん」、これは実は実話です。

「ひゅうが」では、自衛官たちが見学者のために至るところで工夫を凝らした「出し物」を
見せてくれました。
これもその一つ。

「ひゅうが」には、護衛艦として当然の搭載武器がいくつかありますが、





どの艦でもすることですが、このように搭載武器の前に、
説明パネルを置いてあります。



良く出来ていると思ったので、説明部分アップ。
勿論近辺にいる自衛官たちも説明を求められれば、
かなり詳しく(詳しくない人もたまにはいるようですが)それに応じます。
 

この、甲板艦首部分に搭載されているCIWSですが、



ちゃんとこのようなパネルが前に置かれています。

興味をお持ちの方に説明すると、左側の文章は

Close-In Weapon System

自艦の防御システムをくぐり抜けた対艦対ミサイル等を
撃破するための最終防御システムです。

砲、レーダー、コンピュータが一体となっており、
目標の捜索から攻撃までが完全に自動化され、
射撃が開始されると、目標と弾丸の両方を追尾し、
コンピュータで目標と弾丸のずれを計算し、
誤差がなくなるように弾道を自動修正することで目標を撃墜します。

本艦CIWSには赤外線による自動追尾機能が追加され、
高、低速航空機、ヘリコプター、ボート、浮遊機雷、
艦対艦ミサイルの対処が可能です。

砲身は6本のバルカン砲を使用し(略)


すげー!

いちいち驚いてしまいますが、それでも命中率は百パーセントではない、
ということですね。
元海上幕僚長のお話によると。(←強調)


このCIWSについての説明がアトラクションで行われました。
なんと、空砲を作動させて見せてくれたのです。

ところで、何回かあの巨大エレベータで上がったり降りたりしたエリス中尉、
あるとき同じエレベータを待つ、怪しい人影を発見。



そう、これがミサイルくんとエリス中尉が出逢った瞬間でした。
「なんかあるんですか」
たまらず本人に尋ねると
「これから上でデモンストレーションがあります」

しかし、よくこんな黒子の被り物が自衛隊にあったなあ。
エレベーターを待つ間、カメラを向けると



か、かわいい・・・。
黒いVサインが可愛すぎる。
ちゃんとミサイルの炎もそれらしいですね。

わくわくしながらミサイルくんに着いていくと、



こちらの海曹が説明を始めました。
まずは、「CIWSくんが皆さんにご挨拶します~」
CIWSくん、ゆらゆらとお辞儀をして見せ、観客大喜び。

これは、横にいたインカムの自衛官が、階下の砲術係に
「はい、CIWSくんダンス願います」
とキューを出しているのにちがいない、などと思いながら見ていました。

この海曹氏もなんだかとぼけた人で、

「今からその説明をしますので、軽く聴いて下さい」

それにしても、CIWSくん。ダンス。ご挨拶。

まんまとこれは搭載武器を萌え化しているではないか。自衛隊。
いいのか?そんなことでいいのか?

とは個人的にはまったく思いませんでしたが、
旧軍の砲術屋が見たら真っ赤になって怒りそうな光景ではあります。

・・・・いや、ユーモアを解するのが海軍のモットーだから、もしかしたらこれもありかな。

さて、一通りの説明が「軽く」終わってから、いよいよミサイルくん登場。

実はこの後、艦内の特設ステージで自衛隊員出演、
「ひゅうが―俺たちの青春」みたいなタイトルで、艦隊勤務紹介アトラクションが行われました。
そのステージにも、かれが登場していたのでその様子を。



思いっきり暈けてますがご容赦を。
颯爽と登場してきたミサイルくん、CIWSくんにあえなく



撃破されてしまいました。
この舞台バージョンでは、なんとCIWSくんも登場。
右側の黒い物体が撃破されたミサイルくんです。

甲板上で実際のCIWSを使うデモでは、このときに空砲が撃たれ、
砲身の絞り出すもの凄い射出音が空気を震わせるのです。


ところで、観艦式が終わり、帰路につく中、もう一度甲板上ではこのショウ
(と言っていいものかどうか)が行われました。
ただし、そのときは甲板は海風が吹き荒れ、立っていることもままならない状態。

風で押されて足元がふらふらする、という「如何に狂風」そのままです。
やるのか?この強風にもかかわらず?



しっかりミサイルを抱えて全力疾走している(つもりの)ミサイルくん。
いや・・・これ、本当に凄かったんですよ。
写真でも薄々おわかりでしょうが、持ったミサイルが風に押されて、
いかに強靱な足腰を日頃鍛錬で作っている自衛官といえども、
完璧に風に脚を取られ、ほとんど千鳥足状態。
CIWSにたどり着くまでにずいぶん時間が(平常に比べ)かかっていました。

おまけに、甲板には一回目ほどの見物客もいなくなっていたという・・・。

「がんばれ~!」
「ミサイルくんがんばって!」

見ている数人から思わずこんな声援が飛びました。


それにしても、若い自衛官の諸君、ご苦労さま。
あなたがたの創意工夫の努力、特にミサイルくんの奮闘ぶりは、
このエリス中尉が、しかと見届けたぞ。


続く。


・・・・・えっ?まだ?