ただなんとなくね

日々のあれこれ
ふとした気づきや思い
忘れないうちに留めておく場所

8月15日暑い日でした。

2010-08-16 | Weblog
 終戦の日、今年も暑い日でした。田を吹き渡る風は息苦しいまでの熱風となり、緑のカーッペトの上をスローなワルツのステップで過ぎていく。
65年前のあの日は何千万のドラマの終わりの刻であり、また始まりの刻でもあったはずだ。毎年この日だけは想像でしか知らないあの年の暑い日に心が飛んでいき、白い雲の流れにも風の通り道にも、蝉の声にも、黒々とした自分の影にさえ一つ一つ意味を求めてしまう。

 この日を過ぎると秋は少しずつカーテンの隙間から顔をのぞかせ始める。たとえば自転車で木立を駆け抜ける時、秋は木陰に姿を潜ませていて、通り過ぎようとする私を冷たいベールで包みこんで驚かせる。季節は誰を待つこともなく淡々と過ぎていき、ついて行けない私だけが、あきらめるためだけのために意味を探しているのかもしれない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする