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『王の帰還』特別編、NHK BSにいよいよ登場!

2006-12-23 12:09:34 | 指輪物語・ホビット・トールキン

NHK-BS2 及び BS-hi で12/24午後7:30放送予定の『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』、以前のフジテレビでの、CMでブチブチ切られつつの前後編放送には非常にストレスが溜まったので、今回の一挙放映は嬉しいです。いえ、うちでは観られませんが、あれはやはり、勢いとノリで観る映画だと思うし、そういう形で観て頂きたいので。
詳しくはBSオンライントップページまたはこのへんをご覧下さい。
BS2の方は吹替版みたいですね。

でも今回「特別編」ということは、劇場版で削除されたシーンを加えた、いわゆるエクステンデッド・エディションですよね。しかし、この作品の場合、削除シーンの復活によって、却って「勢い」がそがれてしまった感があります。また、アラゴルンのヘタレ度が倍増していることには、原作王様ファンとしてはガッカリでした(なぜか吹替え大塚芳忠さんの方が、寧ろ原作イメージに近かったり)。

エオウィンとファラミアの出会いも、嬉しいと言えば嬉しかったけど、やはり原作準拠の形で観たかったです。いや、原作のあの口八丁ファラミアじゃ、映画版大将のキャラからは外れちゃいますけどね。

逆に好きだったのが、ファラミアとピピンの対話のシーン。原作にはないけど、同じくSEEで復活したエオウィン&メリーのシーンと一対になっていて、どちらも良かったです。
ファラミアの「竜退治を夢見る少年」の件りは、原作大将ファンとしては首を傾げる個所でもありますが、一方で『ホビットの冒険』を知っていると、彼の背後に、スマウグの姿や、五軍の戦いについてガンダルフに「お話」をせがむ幼き日の執政家ご次男の姿なども幻視(=妄想)できたりします。

まあ上で挙げたようなあれこれの不満はあっても、自分としてはわりと早いうちに原作と映画は別ものだと割り切っていたと思います。
それはもう、『旅の仲間』公開の頃、「トム・ボンバディルが出ない」「ホビット庄の掃蕩全カット」と知った時点で、原作にある全てが描き尽くされる訳ではないのだと納得しました(諦めとも言う)。

そして現在、原作を読み直す時、こと登場人物に関しては、自分でも驚くほど映画のイメージは薄れて来ています。
寧ろロケーションやセット、大道具や武器や防具、コスチューム等についての方が印象は強烈で、それらをイメージせずに文章を読むのが困難なほどです。

しかし、例えばゴンドールからローハンへの烽火リレーなどは、映画ならではの感動をもたらしてくれた、三部作中でもベストと言っていいほどの名シーンだったと思いますが、一方で、そのリレーの「始まり」については、原作とは大いに事情が異なり、そういうビジュアル面での圧倒的な美しさ、力強さと、キャラクター解釈の卑小さの乖離が、多くの原作愛読者を困惑させたり怒らせたりする原因になったのではないでしょうか。
その気持ちは理解できますが、結局のところあれは、良くも悪くもPJや映画のスタッフ、キャストたちによる一つの解釈でしかないんです。

そう思って改めて自らを振り返ると、初めて原作を読み通した時の感動は、少しも害われることなく存在し続けていることに気づきました。
それでいいのだと思うし、一方で、あれこれの矛盾を飲み込んで、力業で怒濤の如く押し切ったPJの剛腕は、映画(イベント・ムービーと言うべきか)の作り手としてはやはり大したものだとも思うのです。
あたかもその世界に自分たちが投げ込まれたかのような、あの「感覚」自体は原作と共通しているのが、また面白いところですね。

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