スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

アラビアのロレンス 

2016年02月24日 | 雑感
23日の朝刊に『 シリア、「イラク化」懸念。ISによる連続テロ死者184人に 』 との記事が載っていた。

どうにも止まらないテロの連鎖である。 

先日BSテレビで映画 <アラビアのロレンス> が再放映されていた。 
この映画、ご存じのようにロレンス(1888~1935)は英国の陸軍将校で、第一次世界大戦の折、アラブの諸民族
と共にトルコ(オスマン帝国の正規軍)を相手に戦った英雄(ゲリラ戦法の創始的人物)として描かれたいた。

これはあくまでイギリス映画であり、ロレンスを有名にしたのもアメリカの従軍記者・トマスだ。
歴史もしかり、映画もまた自国の都合のいいように作られるのが世の常なのか。


         

そのトマスがロレンスのことを記した原稿を見せて、間違いがあれば直してくれと頼んだ時、ロレンスはその
原稿について、「中味は余りにもジャーナリスティックであり、特ダネ主義に徹している」と、その殆どが
(90%)いい加減なものだったと評したという。 
    牟田口義郎著『アラビアのロレンスを求めて』より

講釈師見て来たような嘘をつき・・・歴史はこうして作られていくんだなぁ、などと思ってしまう。

アラブからの立場としてのロレンスは英雄としてより、アラブへのイギリスの裏切りに積極的に加担した男
としての評価もまた並行してあるようだ。


(1921年3月・当時チャーチル植民地相が中東専門家を招集してカイロ会議を開催した時、彼の特別顧問として
 参加。第一次大戦後の中東政策地図の作成に重要な役割を果たしたことなど、アラブの現代史家が
 ロレンスを紛糾する理由もここら辺にあるようだ)

戦勝国の国益に利用され、余りにも大きな「負の遺産」を残したのはある意味歴史的事実かも知れない。
 
※ 晩年ロレンスは仮の名で一兵卒となり、戸籍を抹消、トマス・エドワード・ショーとしてオートバイ事故死したという。






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