スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

漢方薬のテイスティング

2015年07月18日 | 雑感
せっかく何冊ものワイン関連本を読みあさり ≪ワインノート≫ まで作り ≪ワインの森≫ に立ち入ろうとした矢先、
ある夜それも自宅で悪酔強酒の振る舞いをしてしまい、一夜にしてその立ち入る気力を失う。
 

そしてまたその矢先、笑ってしまうしか無いのだが  こんどは≪漢方薬≫に興味を移す自分がいた。

漢方医学を題材にしたこの本、なかなか面白い。 豊田美加著 『病名のない診察室』 という本だ。

著書は最愛の妻を失った天才外科医・薗枝温(そのえだあつし)と患者が織りなす5つのストーリー。

失意の薗枝は『くこ医院』で診療を再開。 原因不明に悩む患者たちに【漢方中心の診療】を行うことで
自分らしさを取り戻していくという医療小説だ。


          
その患者も「あがり症で一度も勝てない弁護士」や「甘さがわからなくなった味覚障害のパテシェ」などと
面白い設定だ。 心も温まる物語。 ぷっと噴いてしまうこと幾度もあるユーモアたっぶりの展開だ。


せっかくですから漢方のことを少し 。

漢方医学の本場は中国じゃなく日本独自の伝統医学だそうです。
勿論中国から伝わったのは間違いないのですが、その医学を長い年月をかけて発展させた日本の医学で、
そもそも中国医学では『中薬』といい、『漢方薬』とは呼ばないとか。

厳密には5~6世紀に日本に伝わり、江戸時代には日本独自の療法『漢方』として確立した医学だという。
(漢方薬だけではなく、鍼灸・養生・按摩なども含まれるとのこと)

西洋医学では風邪ならこの薬、頭痛ならこの薬、というふうに病名で薬が決まるのが常ですが、
漢方医学では、その症状に加え、『証(しょう)』という、その人の体質や体力といったタイプをして
診断するのだそうです。 

≪虚証~体力、体格、免疫力のない華奢なタイプ≫・≪中証≫・≪実証~虚証の真逆のタイプ≫に分けられ
対処する薬や治療が異なってくるという。他に病態を見極める『気・血・水』や『寒・熱』などもあるという。

漢方医学には独特の確立された理論体系がきっちりあるようです。

それにしてもワインから漢方薬に心変わりとは、随分と苦味が増したもの。 漢方薬のテイスティングでもして、
これぞというのがあったら紹介しますね。  不老長寿の漢方でも探してみます!?


私も知らなかったのですが、豊田美加さんは大河ドラマの『天地人』やNHK連続ドラマ『カーネーション』それに
『ごちそうさん』等のノベライズ作品で知られ、漫画原作も手掛けるマルチ作家のようだ。