スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

読書三昧 (8)石原慎太郎著(法華経を生きる)

2012年11月25日 | 雑感

お薦めの一冊です。 石原慎太郎著 『法華経を生きる』。

     

4期途中で都政を電撃的に退任し太陽の党を結成、強引とも言える手法で橋下氏率いる[日本維新の会]との合流、代表となったあの方が書いた法華経を平易に解き明かした本である。

1998年に著し25万部も売れた本で当時読んだ時は、えっあの慎太郎氏がとの驚きと共に、そうか霊友会の支援もあり選挙を戦ったのか、公明党と相容れない理由もこの辺にあったのか、等など下種の勘ぐりもしたものです。

今あらためて読んでみました、、、人間は年輪を重ねてると感じるものも違ってくる、、こともある。

あの石原氏とも思えぬ(失礼!)純粋な法華経の解釈本(12章300ページからなる)で、宗教と哲学・宇宙と人間・存在と時間・釈迦の思索・ギリシャ哲学にまで及び、人間生きて存在しているということは等など、、、考えさせられる内容になっております。

仏教者・松原泰道氏が《かつてない切り口で法華経を平易に解き明かした名著》と評したのもうなずけます。

石原氏は相変わらず過激な発言で世間を賑わせており(つい先日も核のシュミュレーション発言等持論を展開)私も、確かに石原氏の考え方には相容れないものもあり、ある危険性をも感じている一人でもあります。

でもこれほどまでに歴史感・文化感・哲学・宗教感を持ち合わせた政治家はやはり稀ではないでしょうか。

法華経は28品の章節で構成されており、戯曲のような形で編集され、顕教密教(天台)の根本経典としても、また多くの仏教宗派で広く読まれている仏典です。
実は私も『法華経の新しい解釈』(庭野日敬著)を座右の書として日めくりで読んでいる一人です。(私の場合は読むというより眺めているといった程度ではありますが)

石原慎太郎氏はあとがきの中で、、『たった一度のかけがえのない人生を、その充実を願いながら生きていくために、これほど確かな手応えを与えてくれる教えは他に決して在りはしないと私は確信しています』、、とここまで言わしめている、またあの宮沢賢治も心酔していたほどの法華経とは、、、、。

是非入門書としても一読をお薦め致します。 幻冬舎文庫本(税込630円)もあります。