9月27日(日)
名月の写真を撮りました。
シャッタースピードだけ1/1600にして、あとはAUTO設定です。
それでも明るすぎたので、パソコン上で画像処理すると、こんな感じになりました。
名月を とってくれろと 泣く子かな 一茶
この一茶の句のヒントになったのが次の句だという話は、9月15日付の校長室だよりでお伝えしていましたね。
一茶が密かに恋心を抱いていたと言われる、江戸時代後期の女流俳人織本花嬌の句です。
名月は 乳房くはえて 指さして 花嬌
花嬌のこの句は、ひとつの心象絵画だと思います。
アンリ・ルソーの絵にも似た、静寂な月夜。
一晩ごとに円みを帯びてくる月を見ながら、膝に抱かれてお月見をする母子。
この子の片手はしっかりと母親を握りしめながら、もう片方の手は十五夜の月を指さしています。
母の乳房は安心の象徴、満月はこれからこの子が向かう未知なる世界への希望。
たった17文字の世界が、ルソーの絵にも負けない力強さを持っていることに、あらためて驚かされます。
そんなことに思いを馳せる月夜でした。