(昔の話)
中学の部活の『家政部』は、最初の刺繍が仕上がった。
その後は、自分のやりたいことをしていい、ということになった。
【まあ、小学校の頃の手芸部みたいに、授業の時間内で活動するわけではない。】
【なかには、「今日は、部活やっていかない。」なんて日もあるだろう。】
(もともと、あの時代の文化部だ。
試合や大会に向かって日々精進している運動部に比べたら、ずいぶん『ゆるーい』活動だ。)
(その子達にしてみたら、きっと「あいつら何やってんだろう?」状態だ。)
しかし私は少し違った。
部活に対する、気持ちの入れようはみんなとは違う。(…と、思う。)
毎日毎日、授業が終わるのを、心待にしていた。
終るとすぐに部室へダッシュ。(運動部並みに。)
…それは『あの本』を見るためだ。
(一目見て、衝撃を受けた本…。)
『あの本』は家庭科準備室の本棚の中にはあった。
皆で、いつものように、何作ろうかな。と、棚の本をいろいろ観ていたときのことだ。
「わぁ、これカワイイ。こんなの作りた~い。」
皆で取り合いになった本が一冊あった。
『大高輝美のコロコロ人形』
私が衝撃を受けたのは、その『フェルトマスコットの本』である。