goo blog サービス終了のお知らせ 

湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

☆シベリウス:弦楽四重奏曲「親愛な声」

2016年12月20日 | シベリウス
○スメタナ四重奏団(INA)1956/6/12ヘルシンキ・シベリウス祝祭live・CD

ピアノトリオなどをやっているとつくづく弦楽四重奏のアンサンブルとしての面白さに気づかされる。やはり同じ音質・音数の楽器同士であわせるというのは絶対的な支配者になりうるピアノをまじえたアンサンブルに比べて「簡単」であるからこそアンサンブルとしてより高度なやりとりができ、また求められるものだなあという感慨を持つ。スメタナは凄い。ライヴならではの熱気もある。ただ、解釈自体は生硬で抽象化されすぎている感がある。シベリウスの作風過渡期のものであるからこそ、多少のロマン性も残されるべきだし、それは単なる音量変化やアーティキュレーション変化の付け方に留まらず、ロマンティックな観点から自主的にのめりこむような態度を必要とするものだ。1楽章の無味乾燥にとくにそれを感じた。楽章がアーチ構造の組曲風のものであることから、急峻な2、5楽章についてはスメタナここにありといった非常に緻密で集中力の高い演奏ぶりが胸のすく思いをさせてくれるが、5楽章の最後にしても古典風の楽曲の盛り上がりにもう少し気持ちがついていっていてほしいし、また緩徐楽章である3楽章にはいくぶん気分がのっているところも感じられはするが、ラフマニノフを想起するような後半部などやはり、この団体の芸風の一種「限界」を感じさせる。そもそもこの曲を余りやらなかったのもわかる気がする。アンサンブル的にさすがシベリウスでマニアックな構造やら響きやらがつぎこまれ面白いことは面白いのだが、スメタナQ的には物足りなかったか。激烈とまでもいかないところもこの団体らしい。○。


Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ルーセル:バレエ音楽「バッ... | TOP | ストラヴィンスキー:三幕の... »
最新の画像もっと見る

post a comment

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | シベリウス