湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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マーラー:交響曲第4番

2018年04月19日 | Weblog
バーンスタイン指揮ミラノ・スカラ座フィル管弦楽団、ベルギウス(b-sp)(rare moth)1984live

驚くことにモノラルで、それだけならいいのだがノイズからも三楽章の無惨な二箇所の音飛びからも四楽章の撚れからも、とても80年代のエアチェックとは思えない録音状態。音場も狭く50年代前半の録音と思って聴くしかない。レアモスも久しぶりに出してきたと思ったらこれである。情報量も少な目だが演奏は円熟の極みで、「バーンスタインのマーラー」とはひとりの作曲家として不可分の存在なのだ、という余人を許さない独特の境地をしっかり届けてくる。歌心をわかっているオケに統制をしっかり効かせて、乱れがないから、イタリアオケの悪い特徴がなくなるとなると、別に他のオケとの記録でも良いのではないかと思うが、三楽章なぞはやはり美しい。作為的にテンポが揺れるといっても、この指揮者晩年は不自然さのない流麗さが素晴らしい。この曲はむしろ速く、かつ華麗でもある。どこか暗くも美しい三楽章はもともと感動的な要素をはらんでいるが、それを一歩進めた、感動だけではなく、感傷に昇華させたようなものがある。ボーイソプラノはバーンスタイン特有の起用だが、やや棒のような歌い方がめだち、不安定で重いか(男声だから子供とはいえ重くなる)。天国のような歌声とはいかない。あるいはそういう意図なのかもしれないが。オケは嵐のように、あるいは木の葉を撫でる風のように上手い。当然のように嵐のような拍手とブラヴォ。録音が悪すぎる。
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