湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

ヴォルフ:イタリアのセレナーデ

2006年10月18日 | ドイツ・オーストリア
○ストラディヴァリ・レコーズ弦楽四重奏団(stradivari records)LP

この団体はメンバーが明かされていることから覆面ではないらしいのだが、非常に巧い。モノラルということで緊密さ手堅さにおいてはブダペストQを彷彿とし、個人技的にもハリウッドQを彷彿とする舌を巻く巧さだ。この曲は割合と現代的な側面があり、装飾音も巧くこなさないと物凄く野暮になる。ストラディヴァリ・レコーズQはこの時代にしては恐ろしい正確さでそつなくこなし(といっても全体非常に緊張感はある)、本質を見失わない。ただ、ちょっと構造的にしすぎるというか、私は面白かったのだが素直に旋律を聞くたぐいのかたがたにはわかりにくい感じもあるかもしれない。す弦楽四重奏という形態において理想的な演奏を行っていることは確かで、ケレン味のない現代的な演奏方法は今の耳にも十分耐え得るものをもっている。○。
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ルーセル:くもの饗宴

2006年10月18日 | フランス
○マルティノン指揮シカゴ交響楽団(DA:CD-R)1967/3live

マルティノンはよく知られているとおりルーセルに作曲を師事しており、そうであるにもかかわらず録音がろくすっぽ残されていないのが惜しまれる。演奏的には立体的で、シカゴの機能性を生かした細部まで統制された非常に現代的なものになっている。そこに逆にのめりこめない要素もあるのだが、奏者も指揮者も非常に巧いということは確かに聞き取れる。巷に囁かれた不協和音が信じられないくらい演奏的にも噛み合っている。録音も非常にいいステレオである。ルーセル後期に繋がる躍動感あふれる場面についてはリズミカルな処理も巧く、決して「裸踊りランチキ騒ぎ」に堕落せずフランス的な粋を感じさせる出来になっている(裸踊りもランチキ騒ぎも大好きな私はそれでのめりこめなかったのかもしれないが)。たぶん◎にしたがるかたの多いたぐいの演奏だと思うが、個人的にそこまではなかったので○。いい録音、と書いたがあくまで放送エアチェックのレベルで、ということで。ちょっと劣化音に近い放送ノイズが耳障り。
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