"FOR THE CUSTOMER"

創業120年の建設会社「今西組」の六代後継者が あなたの”いいね”を築く!

ネパール、領事館、使命

2008年12月24日 17時35分49秒 | Weblog
先週の日曜日。

プライベートでも仲良くしていただいているネパール人女性主催のパーティーが東京・田端でありました。

駐日大使館の ガネッシュ・ヨンジャン・タマン大使もお見えでした。

そこで、プロのタブラー奏者とお話をする機会がありました。

タブラーとは日本で言う太鼓のような、インド古代よりの打楽器で、シタール(インド古代より伝わる楽器、ギターのようなもの)などと、よくセッションが行われているようです。

S;「ネパールとはどういうご関係ですか?」

私;「ネパール領事館を運営しています。ビザの発給代行業務を担っております」

S;「それは、それは、ご苦労様です…」

私;「いつタブラーと出会われたのですか?」

S;「20歳のころです。インドで学びました」
「若いうちは体が動くから、やりたいことがなんでもできるでしょう」
「病気には気をつけてくださいね」

インド文化やタブラーに魅了された彼の、動物的とも言えるその表情は、私が出会ったことのない独特のものでした。

在日ネパール大阪名誉領事館として、われわれは現在、年間で3000名以上の渡航者にビザを発給しております。

ただ今年は、マオイスト(毛沢東派)と括られる政治勢力の影響により、数百年続いた王国制の廃止、また共和国の誕生という大きな変化を受け、9-11月は例年に比べ3割ほど減少しております。

来る1-2月、例年ですとシーズンが良く、申請者数の多い時期です。

少しでも多くのみなさんに、楽しんでいただきたいと願っています。

故前会長(私の祖父、今西寿雄)がヒマラヤに縁あって、そのおかげさまで、祖父の代より運営している領事館。

掲げる「名誉」の称号が私に問いかけるものとは、奉仕事業として、いかにその継続の意義を捉えるかに尽きると思います。

不況の風が、当社にだけ吹かないということは、まずありえません。

不況と奉仕の因果関係は、そう浅くないと思っています。

不採算事業からの撤退は、選択肢としては当然声に出てくる項目でしょう。

ただし。

私の使命として考えるならば、先祖から続く「精神」、これは続けることが当然のことではないかと思うのです。

確かに、自助努力は必要です。

「なにをいわれようが絶対続けていきたい」気持ち。

特に最近、私の言動や行動によって、すぐ先にある「道」の方向が変わってしまう、そんな「人生の緊張感」をよく感じます。

なにか、以前と比べられないほど、「生きている」感覚が体内に芽生えています。

もしかしたら、私の「生きがい」とはなにか、その答えが、今の私のすぐ近くにあるのかもしれません。

私が今年、一級建築士試験に合格したかった理由

2008年12月20日 17時09分02秒 | Weblog
天国のおじいちゃんへ

聞こえますか?
まだそんなに遠くにいってないよね?
生きてる間に伝えたかったことがありました。
最後におじいちゃんと会ったのは去年の今日、12月20日だよね。
ちょうど、昨年の合格発表日だったよね。
「おい、試験はどやった?」
入院先の病室で、だめだったことを伝えたとき、無理やりの笑顔をくれましたね。
本当はものすごく残念だったんでしょう?
ずっとずっと、応援してくれてたもんね。
自分で言うのもなんだけど、本当に私のことが自慢で、会う人みんなに孫の「私」の話をしてくれてたもんね。
もっと前に受かってたら、もっとおじいちゃん、鼻が高かったと思うんだ。

去年私は、病院で、不合格を伝えた後のおじいちゃんの笑顔を見たとき、もう、なんともいえない気持ちになりました。
悔しかった。
どうしても合格を伝えたかった。
2月に天国にいってからは、そのことが悔やまれて、悔やまれて、
「絶対に一級建築士に合格して、おじいちゃんに全てを捧げたい」と決意していました。

おじいちゃん、今年受けた建築士試験、おととい発表があったよ。

合格や!!!!!!!!

聞こえますか?

合格や!

いろんな人にお世話になったんや。
親愛なる人々。

家族。
両親。
大学仲間の親友達。
なかでも一緒に合格を決めた山本君!
だめだったときから、ずっと私のことを励ましていただいた「一級建築士」大先輩の北山先生。
応援してくれた小学校の大先輩、山本さん、萩原さん。
会社の先輩、塩野さんほか、皆さん!
総合資格学院池袋校 担当の坂元伸自さんには、三年もの長い間、多大なるサポートをいただきました。
本当に担当があなたで、良かった。
http://www.shikaku.co.jp/school/shutoken/ikebukuro.html
ほかにもたくさんの大事な方々に、気遣いいただき、応援いただきました。

おじいちゃん!
今回の合格、あなたにすべてを捧げます。
天国で、お友達に、堂々と自慢してくださいね。

年末ジャンボ、小澤征爾、自他一如

2008年12月16日 22時59分47秒 | Weblog
年末ジャンボに並ぶ新橋のサラリーマンを、京浜東北線の車内から眺めていたら、ふと写真を撮りたくなってしまった。

後で、なぜ私は撮りたくなったんだろうと考えた。

別に不況を嘲笑っているつもりはない。

私自身、まさしく不況と世間が呼ぶ業種、建設業の「ど芯」にさまよっているわけで、

さまよっているというよりは、もがいている気持ちのほうが強くて、

もがいているというよりは、なにか挑戦してみたい気持ちのほうが強くて、

そんな「なにか」が本当になんなのかを、ずっとずっと考えている。

恵まれたことに、私には仕事を通じて出会ったたくさんの相談相手がいて、

東証一部の上場企業の副社長やベテランの女性弁護士さんがいて、

ビジネスタイムの最中にもかかわらず、親身になって、考えていただける。

きっと誰かがやってくれるだろうとか、

彼らプロに任せばあとは安心だとか、

そんな失敗への道標を経営者はたどっちゃいけない、そう教えてくれる。

結局、自分の城は、自分で守らないといけないということ。

その真意に、早かれ遅かれ、やっと気づいた。

ただし、一人では、何も、できないんだ。


指揮者の小澤征爾は、今日のテレビ番組で、こう言っていた。

「昔、若いときには、[みんな俺を見てくれ!][俺の指揮について来い!]というようなスケベ根性が芽生えていた。」
「しかし今は違う。演奏者が、自ら[私はどうしても弾きたいんだ]と思う気持ちを、うまく引き出すような指揮をするように変わった」


また、禅宗や浄土宗の言葉で「自他一如」というのがある。

自分は他であり、他は自分である。

すべてはつながりの関係性のなかで存在しているのであって、

自力も他力も最後は一緒なのだという考え方。


年末ジャンボに並ぶ新橋のサラリーマンを、京浜東北線の車内から眺めていたら、
ふと写真を撮りたくなってしまった。

私は写真を撮ることで、並んでいたサラリーマンと、「明日があるさ」を胸に、想いがつながったんだ。

それでいいじゃない、そう思った。

IKEAと建設業、大量生産と単品受注生産

2008年12月13日 23時17分14秒 | Weblog
埼玉・新三郷にオープンしたIKEAに行ってきました。

西船橋には何度か足を運んでいました。

驚いたのは、その中身。

まったくといっていいほど、歩行経路やサービス、陳列の位置が一緒だったのです。

レジ近くにあるアウトレットコーナー、出てすぐにある100円のホットドッグや50円のソフトクリーム。

聞いたところによると、ドイツにあるIKEAもサービスが概ね一緒なのだそうです。

DIYにこだわることで価格に優位性を持ち合わせ、さらに最後の100円ホットドッグ(ドリンクはおかわり自由!)で安さを脳裏に植えつけさせる。

時代をうまく読みきっていると思われる当該ビジネスモデルを体感しながら、相当の人出のなかで、「脱」請負業としてのヒントを探していました。

大量生産によって原価を下げる方法は、土地の形や条件によって、ひとつひとつ建物が異なる単品受注生産とはうまく結びつきません。

オーダーメイド。

オートクチュール。

建物づくりも上記と同じ、高品質の追求なのです。

さらに建物によっては延べ何千、何万人が関与する、職人の手作りの集大成ともいえます。

聞くところによると、韓国では設計と施工を同じ会社がすることはないそうです。

受注競争も激しいと思われます。

しかし日本も同様です。

まるで魚のセリのように、多数のゼネコンを勝負させ、金額を下げさせる。

ゼネコンの数が供給過多なのは周知の事実です。

業界は、大手ゼネコンか、または中小・零細の工務店かという二極化が今後すすむでしょう。

さらにいえばM&Aか廃業かの二極化にすすむでしょう。

ただ当社のように、創業家が経営を担う中小企業は驚くほどたくさん存在します。

そうは業界の再編をゆるさないことでしょう。

なぜなら、そこには、創業家の先祖代々続く精神が入っているのですから。

請負②、ビジネスモデル、おもちゃ

2008年12月12日 19時49分59秒 | Weblog
「請負」の正確なニュアンスを子供たちに伝えるのは非常に難しい。

お客様から注文をいただき、資金を預かり、建物を完成させ、残額をいただく。

完成させるのに足りない分は借り入れ、ほてんする。

お客様の需要が少なくなれば、業者間で受注獲得競争が激しくなり、価格競争下で、低コストのみ選ばれる反面、利益がうすくなり、原価改善がない限り、プラスさえ危うい。

不況は言い訳にしかならないが、建設需要を「確保」することが非常に困難な業界の昨今。

だからお客様へお願い営業をする。

自ら出向き、「なんでもします!」

選ばれるための、先行投資。

幾度と言われる、相手からの「結構無理」な注文。

やるしかない。

「次回につながる投資」と考えざるをえない。

結局、それらのことが、今まで「なんとか」成立していた「請負」の体現だったのであろう。

ただ、昨今の建設業の倒産ラッシュが直近の経済に与える影響を直視した場合、「請負」というビジネスモデルそのものが、すでに社会に貢献できなくなっている思いがします。


また、子供たちに直近の金融不安を説明するというのは、もっと難しいと思います。

お金そのものが目的となってしまった市場経済社会。

おもちゃが欲しくて「お金ちょうだい」という子供たちには果たして理解できるでしょうか。