私的感想:本/映画

映画や本の感想の個人的備忘録。ネタばれあり。

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「うさぎドロップ」

2011-08-24 20:10:33 | 映画(あ行)

2011年度作品。日本映画。
27歳で独身サラリーマンのダイキチは祖父の葬儀で、祖父の隠し子りんと出会う。わずか6歳の少女が親戚中から邪魔なお荷物扱いされるのに怒りを覚え、両親や妹の反対を押し切ってりんをひとり暮らしの借家へ連れ帰る。保育園探しに始まり、残業のない部署への異動や、おねしょ対策まで常に全力投球のダイキチに、りんも心を開いてゆく。ある日、りんと仲良しのコウキの母親が憧れの女性だったこと知りダイキチは驚く。(うさぎドロップ - goo 映画より)
監督はSABU。
出演は松山ケンイチ、香里奈 ら。




原作は、ラスト以外はなかなかすばらしい作品で、僕はわりに好きなマンガである。
そういうわけで、期待して見に行ったわけだが、いくつかの点で引っかかる映画であった。

映画は原作とはいくつかの点で設定が異なっている。まずキャラ造形がちがうし、オリジナルストーリーも追加されている。しかしそこは原作既読者としてはそんなに気にならない。

むしろ僕が引っかかったのは、演出、そして後述するがリアリティの方であった。
特に演出は、ダンスシーンがまったく意味がなく、鼻につくし、そのほかの場面もちょっとばかり演出過多だ。
この手の作品なら、もっとオーソドックスに撮っていいような気もするがどうだろう。

だが、トータル的に見れば、それなりに楽しめる作品と感じられる。


内容は祖父の隠し子を衝動的に引き取った独身男と少女との生活と交流を描いた作品である。

僕は独身なので、子どもが暮らしの中に入り込んでくる場面をリアルに想像できないが、やはり大変だな、と見ていてつくづくと感じてしまう。
保育園の送り迎えだけでも大変だし、いままでのペースで仕事をしてはやっていけないだろう。それに自分の時間だって、あれでは到底つくれない。
パートナーがいれば役割分担し合えるけれど、一人で育てるとなると、仕事をある程度セーブしないと続けていくことは難しそうだ。本当に大変である。

それらの子育ては、見ようによっては、子どものために自分の人生を犠牲にしているとも言えるかもしれない。


しかし、そういう犠牲を、犠牲と考えるかどうかは考え方次第なのだ。
子どもと過ごす時間も自分の時間、なのだと考えれば、それは苦ではなくなる。

それに主人公のダイキチは、一人で子どもを育ててはいるけれど、まったくの独りというわけではないのだ。
周りには彼の状況を理解し支えてくれる、家族や同僚がいるからこそ、子育てをがんばれるのだろう。
そういうテーマ性はまっとうであり、こちらの心にも訴えてくる力がある。


しかしマンガだと感じなかったことが、実写にすると、いろいろなことが見えてしまい困ってしまう。

一番最初に思ったのは、独身男が、他人の子どもを育てることが本当に可能だろうか、ということだ。
自分を基準に考えるに、周囲の環境と、同僚たちの価値観を考えたら、風当たりはかなり強いと思う。この世界は、必ずしも理解ある大人ばかりじゃなく、映画のようにはいかないだろう。
それにこの生活は、りんがすなおで賢く、何よりダイキチになついてくれているから、成り立っているようなものなのだ。ついこの間、里子を虐待死させた女がいたから、そんなゆがんだ見方をしてしまった。
まっとうなテーマのお話だけど、醒めた目で見てしまった部分もないわけではない。マンガでは気にならなかったのだけどね。


だが、映画にそこまで言っても仕様がないのだ。
実際、ダイキチとりんの関係は見ていて温かい。その温かささえ感じられれば、この映画に関しては、きっとそれでいいのである。

評価:★★★(満点は★★★★★)



出演者の関連作品感想
・松山ケンイチ出演作
 「ウルトラミラクルラブストーリー」
 「L change the WorLd」
 「男たちの大和/YAMATO」
 「椿三十郎」(2007)
 「DEATH NOTE デスノート 前編」
 「DEATH NOTE デスノート the Last name」
 「ノルウェイの森」
 「マイ・バック・ページ」
・香里奈出演作
 「パレード」
・芦田愛菜出演作
 「告白」

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