私的感想:本/映画

映画や本の感想の個人的備忘録。ネタばれあり。

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ウィリアム・シェイクスピア『ロミオとジュリエット』

2014-07-16 21:08:32 | 戯曲

モンタギュー家の一人息子ロミオは、キャピュレット家の舞踏会に仮面をつけて忍びこんだが、この家の一人娘ジュリエットと一目で激しい恋に落ちてしまった。仇敵同士の両家に生れた二人が宿命的な出会いをし、月光の下で永遠の愛を誓い合ったのもつかのま、かなしい破局をむかえる話はあまりにも有名であり、現代でもなお広く翻訳翻案が行われている。世界恋愛悲劇の代表的傑作。
中野好夫 訳
出版社:新潮社(新潮文庫)




恋愛悲劇の古典として有名な作品なのだが、読む前にもっていたイメージと違っていて、ただ驚くばかりだ。

僕の『ロミオとジュリエット』のイメージはもう少しロマンチックで、耽美的な味わいさえあると思っていた。
だけど、実際は饒舌でスピーディで、情緒不安定気味っていう印象を強く抱く。
ロマンスとしてはあまりに余韻がない、っていうのが率直な感想だ。



そう感じた要因は展開が速すぎるってのが大きいような気がする。

ロミオはそれまで気になる女がいたようだが、もぐりこんだパーティでジュリエットを見て一目ぼれする。そしてジュリエットもまたロミオに一気に惹かれることになる。
まあ別にいいのだけど、ちょっと都合良すぎるんでないの、とまじめにつっこみたくなるような展開だ。


そこからのお話の進行はとにかく速い。
ロミオもジュリエットも視野狭窄的に行動するから、よけいそう感じるのかもしれないが、あんまりに二人は突っ走りすぎているように見える。
最後のふたりの死も、結局恋している自分たちにうっとりしすぎた結果と見えてならない。

言うなれば、恋愛ゆえの感情過多な暴走である。
はっきり言って、子供の恋愛としか見えない。
そのため読んでいる間は引いてしまう面もある。

もちろん二つの家の対立が生んだ悲劇である面は否定しない。
だがそれでもこの感情過多は僕には馴染めず、正直なところ、お話に入っていけなかった。


加えてあまりに饒舌すぎるセリフのやり取りに、日本人の僕としてはうんざりしてしまう。
一言で言うならば、僕と『ロミオとジュリエット』は合わないということなのだろう。
世界的に著名な作品のため、ちょっと自分にがっかりだ。


そんな中で、中野好夫は訳をがんばっているという印象を受ける。
日本語にしづらい作品を、作品の雰囲気を損なうことなく、訳出しようとしているのが伝わり、そこは好印象。

だがその努力が前に出過ぎている分、使う日本語がすでに古びている面は否めない。
できれば新訳でもう一度読んでみたい。少なくともそう感じさせてはくれた。

評価:★(満点は★★★★★)
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