唐史話三眛

唐初功臣傳を掲載中、約80人の予定。全掲載後PDFで一覧を作る。
その後隋末・唐初群雄傳に移行するつもりです。

専殺

2006-09-27 18:10:00 | Weblog
「徐庭光をなんとしても斬る」

同華節度使駱元光は期することがあった。

李懷光の將庭光は既に降り、官爵を与えられていた。

しかし降るに際して、西域人である元光を愚弄し

「親もわからぬ蛮族などに降れるか、漢人を呼べ」

と罵り、毛深い芸人に元光のものまねをさせた。

「絶対にあいつは赦さぬわ」

「しかし副元帥馬燧様は激怒されるだろう」

「遊瓌、その時にはとりなしてくれるか?」

同じく庭光には旧怨をもつ韓遊瓌は頷いた。

軍門を庭光がくぐろうとしたとき、元光は部下とともに囲み
これを斬り捨てた。

そして馬燧の前にでて、罪を請うた。

燧は激怒して言った。

「庭光は既に赦され官爵を受けている」

「これをみだりに殺すことは赦しがたい」

「元光を斬れ!!」

その時、遊瓌が走り出て言った。

「勝手に將を殺すことでも、君はかくのごとくお怒りになられます」

「しかし君は、命を待たずに節度使を殺そうとしておられます」

「皇帝はどれほどお怒りになるでしょうか」

燧は驚き、黙り込んだ。

諸将が口々にとりなして元光を連れ去り、事はうやむやになった。
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