アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

平常心是道

2022-12-23 10:14:32 | 丹田禅(冥想法8)neo
◎人間の側の体験に非ず

8世紀の中国でのこと。師匠である南泉が弟子の趙州に「道とはどんなものですか」と質問された。南泉は、「平常心が道である」と答えた。

そこで趙州は、「平常心をそこへ向かう目標として据えてよいでしょうか」と問うと南泉は、「そこへ向かうようなことをすれば、たちまち落ちてしまう」と答えた。

さらに趙州は「それを目指さないならば、それが道であることをどうやって知ることができましょうか」と問う。

南泉は、「道は「知」に属するものでなく、かつまた「不知」に属するものではない。「知」は妄想であり、「不知」は、善でも悪でもないもの(無記)。もし、真に目指しようのない道に達してみると、それは虚空のようにがらりんとしたものである。これを強いて述べるべきではない。」

これを聞いたとたんに趙州は、大悟してしまった。
(無門関第十九則)

無門は、南泉は説明し過ぎだとクサしており、これで悟った趙州はもう30年修行せよ(修行が足らないということ)とまで言っている。

言葉による説明や問答で知的理解しても道には届かない。
天国も地獄も越えて、ことばで説明できないそのものずばりこそが平常心である。平常心とは、社会人の常識的心理状態を言うのではなく、不安や怒りや恐怖で動揺していない心理状態を言うのではない。それは人間の側の体験ではない。
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クンダリーニのエネルギー・コードの謎

2022-12-23 06:39:42 | 人と神の「実際のところ」
◎生者の意識、死者の意識

人には、顕在意識と潜在意識があり、顕在意識は生の側であり、潜在意識は大まかには死の側である。現代の心理学は、両方とも同時に認識できていることを自明としているように思う。

七つの身体論で言えば、肉体、エーテル体、アストラル体、メンタル体、コーザル体までは、個人の持ち物だが、
それら5ボディは漠然と同時に存在しているように思われているが、臨死体験やアストラル・トリップ体験を読むとボディとボディの間の移動にはトンネルがある場合があり、異なるボディはやはり別世界、別次元なのだろうと思われる。だから異なるボディ間の移動にはひょっとしたら時間がかかるのではないかとも思われる。

目覚めている日常と、大悟覚醒時の第六身体アートマンあるいはニルヴァーナの移動には時間がかかるが、第五身体コーザル体以下の異なるボディ間の移動に時間がかかるかどうかも、意識の中心の移動の所要時間とともに、
重要な研究テーマだと思う。

第六身体で今ここと言う場合、今しかないので、時間は過去も未来も含めて現在として展開する。積善を行うというのは、将来の果報の実現につながるが、過去すらも改善してしまうということは、この理屈の上からもあり得ると思う。

チャクラとクンダリーニは別物であり、一般的にはクンダリーニは、ムラダーラ・チャクラと接しているとされる。クンダリーニは、エーテル体以上に存在し、ダンテス・ダイジの図版説明では、アートマン直前まで個なるクンダリーニとしてある。その色は最初は銀だが、後に黄金に変わる。

クンダリーニで問題なのは、クンダリーニ上昇プロセスにおいて、クンダリーニはエーテル体、アストラル体、メンタル体、コーザル体、アートマンと上昇していくが、
異なるボディを上昇できるクンダリーニは、自己自分なのではないかということなのである。そのクンダリーニは最初は個だが、後には、中心太陽に突入する。それが、モクシャ、ニルヴァーナに至るのかどうかはわからない。

クンダリーニが中心太陽へ向かって上昇する最終上昇ルートを、パドマサンバヴァはチベット死者の書で『無上の垂直道』と名付けている。パドマサンバヴァもよくその消息を承知しているわけだ。

時間の流れというものが、先験的に最初から絶対なものとしてあると感じるならば、意識に浮かぶ想念と想念の合間にアートマンなる宇宙全体が存在していると思うだろう。あるいは、入息と出息の間の呼吸のないところにアートマンが存在していると見るだろう。

ところが、アートマンには、時間がなく過去も現在も未来も一緒くたであるから、「想念⇒無想念⇒想念」あるいは「入息⇒無呼吸⇒出息」は、いわば同一平面上に転変するのだろうと思う。つまりアートマンから見れば生の世界も死の世界もごたまぜなのだ。

この辺の日常感覚は、悟ってみないとわからないので、禅者は、この感覚を平常心是道とか、日々是好日と言った。

また一方こうした心理状態は、現代の心理学者から見れば、変性意識とか異常心理とかに分類されるだろう。

人は、生の世界に生き、死の世界にも生きているというが、日常感覚からそこを想像するのはなかなか大変なことだと思う。
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