SPIDERS IN LOVIN' COOL

ケロロ軍曹(主にクルドロ)や、名探偵コナン(主に平和)の小説。
毎週土曜日は「今週のクルドロ萌え」を予定。

非情のライセンス(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ】)

2008-01-14 08:42:54 | ケロロ軍曹(クルル×ドロロ)
非情のライセンス…かつてアサシンはこう呼ばれていた。
敵ともなれば、誰彼構わず抹消していいと許可された。
何人、この手で傷つけて来たのだろう…
何人、この手で殺めて来たのだろう…
星になった戦士たちの輝きは、きっと苦しみの涙だ。
日向家の屋根で、そんなことを考える。
何人も殺めてきた僕は、
きっと星になる資格すら貰えないんだろうな…

「ドロロ…」

一番好きな人の声がする。

「どうしたんだよ?ラボからこっそり抜け出すなんて」

だけどそれは、今、一番聞きたくない声…。

「星か…冬は空気が澄んでるから、綺麗だよな」
「クルルくん…」
「なんだ?」
「人は死んだら、みんな星になれるの?」
「……………」

クルルくんは、返答に困ったのか、暫く黙ってしまった。

「ドロロ……寒くないか?」

そう言うとクルルくんは、後ろから僕の腰を抱く。
僕の身体は…血みどろなんだよ、クルルくん…。
クルルくんも、血みどろになっちゃうよ…。
僕は、あなたを愛する資格があるのだろうか?
こんな血みどろの手で、身体で、あなたに抱かれてもいいのだろうか?
堪えてた涙が溢れてくる。

「悪い夢でも見たのか?」
「…クルルくん…僕は…アサシンだよ?」
「んなことはとっくに知ってる」
「この手で…何人も殺めてきたんだよ?」
「それも知ってる」
「僕は……クルルくんに愛される資格なんてないんだ」
「……ドロロ?」
「僕に触れると、クルルくんも血みどろになっちゃう!」

腰に回された腕がキツくなる。
クルルくん、もうこれ以上、僕に触れちゃダメだよ…。
どうして……どうして触れてくれるの?

「あんた…バカだな」
「………」
「あんたの過去を知ったからって嫌いになれる程、俺は諦めよくないぜ…」
「…………」
「それにな、あんたが俺に愛される資格が無いなんてことは、
あんたが決めることじゃない。俺が決めることだ。」
「………………」
「あんたに、俺に愛されるライセンスをあげるぜ。
有効期限は、もちコース、永久的にな。」
「クルル…くん」
「愛してるぜ…ドロロ、あんたの過去も今も、未来もすべてをな」
「……///。ぼっ…僕もだよ、クルルくん」
「じゃあ、俺にもライセンスくれ」
「もっ、もちろんだよ。」
「…それと、あと一ついいことを教えてやるよ。
さっきの答え。
人はな、一生のうちに誰かを愛して、誰かに愛されれば、
必ず星になれるんだ。
そして、愛を囁き合った人の中で輝き続ける。
あんたはもう、とっくに星になれるライセンスを持ってるんだよ。
だけど…俺より先に、星にならないでくれよな。」
「クルルくんも、僕より先に星にならないでね。」
「……まいっちまったなぁ~
そんな機械は、いくら天才の俺様でも作れないぜ~
クーックックック~(@皿@)」

やっとお互い笑い合う。
僕らは、朝まで星を見ていた。


Fin


【あとがき】
うわぁ~~!!
クルルがクルルじゃなくなってる!!(叫っ)
「星が綺麗」とか、「寒くないか?」とか、「愛し合えば星になれる」とか…etc…。
シリアス作品なはずなのに、読み返して我ながら爆笑でした(をぃ)
いっ…いいんですこれで!!
ドロロの前のクルルはこんな感じなんです!!!
だからこれでいいんだよ!!(逃っ)。
タイトルの「非情のライセンス」は、SUICIDE SPORTS CARのアルバムタイトルから。
クルルの“愛情”のライセンスって…どんな特典がついてるんでしょう?(笑)