ラーメン(一、三、五) 690円
世間はクリスマス連休で浮かれている。しかし、生憎と連休初日の晩は、冷たい雨が降りしきっていた。
六本木の東京ミッドタウンを訪れると、濡れた天鵞絨のような寒空の下に妖しく光る蒼いイルミネーションの周辺には、凍てつく空気などお構いなしに、若いカップルたちがそぞろ歩いていた。何ともうらやましい。
ミッドタウン内は、観光客やカップルで溢れかえっていたので、道路の反対側にあるラーメンの天鳳にやってきた。お客さんは誰もいない。
このタイミングで、この場所でラーメンをすするのもオツ、と強がってみる。麺固め、味濃いめの脂多めという一、三、五のラーメンはとてもジャンクで、もとよりのわびしい気分がさらに助長されるようである。
ラーメンは熱かったが、なぜか体の芯まで冷え切って、這々の体で帰宅の途についたのであった。
ミッドタウンの蒼いイルミネーション
寒風にノレンが揺れる。店内に客の姿はない。