中国雑聞記

当地の新聞ニュースの中から、日本では報道されないものを紹介し、中国庶民生活の一端でも感じてもらえたらと思います。

2007年青島10大ニュース

2007-12-31 15:01:12 | 世相
中国では元旦は幾つかある祝日のひとつに過ぎず、新年は春節(陰暦旧正月)で祝いますが、2007年も最後の一日となり地元新聞では今年の10大ニュースを報じています。以下その抄訳をご紹介します。

1.市10回党代表会議が開催され、新たな市委指導部が選出された。今大会は小平理論と「3つの代表」重要思想の御旗を高く掲げ、青島を豊かで強固な調和の取れた現代化国際都市として建設することを目標とし、経済建設・政治建設・文化建設・社会建設を全面的推進が提起された。

2.2007年国際ヨットレースの成功。2008年オリンピックヨット競技の基礎を確固なものとし、国際オリンピック委員会や国際ヨット連盟などからレースへの組織的運営に対し高い評価が得られた。

3.青島の400の低所得家庭に対し安価なアパートが割り当てられ、住宅建設方面に多大な進展があった。市当局は低所得者層の住宅難解決のため新たな住宅保障方式等を導入し、標準的で安価なアパートを拡大、著しい効果があった。国務院はこの努力に対し全国の模範となる方式と評価。

4.「食は青島が最も安全」を新たな都市ブランドとしたこと。「市8大項目整頓任務」「20項目量化指標」の完成状況は良好で、「12の100%」は全て目標達成。製品の質と安全性水準は向上、市民のこれらに対する満足度も増加した。

5.市農村部の義務教育生徒の雑費を全額免除。市政府は1億6500万元を投入。70万名の生徒がこの恩恵を受けることとなった。これは、有料義務教育から義務教育無料化への大転換。

6.中国初の時速300キロ新幹線「和諧号(CRH2-300)」が青島で生産された。これはわが国の鉄道が自主創新戦略を実施した成果であり、わが国の鉄道輸送技術が世界の先進水準に到達したことを意味する。これにより中国は時速300キロの列車を自主開発生産し得る世界でも数少ない国のひとつになった。(日本の技術援助につては一切報じられていません)

7.青島の高速道路が700キロを突破。4本の路線が完成し、2006年比175キロ純増。

8.青島海湾大橋と胶州湾海底トンネルの工事が開始された。

9.一汽(中国の自動車メーカー)が小型車の研究開発基地を青島に設置。今年は国内大企業や金融機関が相次いで青島に進出。今年年末現在で過去5年間に1048億元が投入され、その平均年間増加率は25%、1億元以上の投資は200件以上。

10.青島への旅行客が「2大突破」。12月20日初めて青島を訪れた日本人渡辺恭延氏が、今年100万人目の海外からの客人となった。もうひとつは同日青島への国内旅行客が延べ3000万人を突破。青島旅行業界が新たなステップへ踏み出したことを意味する。

クリスマス(聖誕節)

2007-12-26 15:18:53 | 世相
以前は一部のホテルを除きクリスマスにはほとんど関心がなかったようですが、ここ2,3年その商業的利用価値が大きいと気づくや、ショッピングセンターやそこそこクラスのレストランは、こぞってクリスマスセールを展開。まだ日本ほどではありませんが、クリスマス商戦は年毎に加熱してきているように見えます。

青島の某5つ星ホテルでは、ひとり4千元(約6万円)のクリスマスディナーを用意。日本の物価感覚だと50万円のディナーです!
クリスマスイブ(平安夜)にピザ・ハットに行ったら1時間半待ち。昨日のクリスマス、退社後近くの日本料理屋に入ったら、「最低消費お一人100元です」と言われ、「酒も飲まないのにそんなに食えるか」とすぐに出てきてしまいました。
大体、クリスマスのそもそもの意味を知っている中国人はほとんどいないんじゃないだろうか?マスコミもキリスト教との関係について一切触れないようにしているし。結局、中国のクリスマスも日本と同様に「売らんかな」「儲けんかな」だけの商業祭日のまま定着しそうです。


次は国慶節か?

2007-12-21 12:27:03 | 生活一般
以前にも書いたが、国務院は来年以降の法定祝日改革の結果を発表。
主な変更点は5月のメーデー連休を削減し、伝統的な祝日すなわち清明節・端午節・中秋節を法定祝日としたところです。
このニュースについては、中国在住の方はすでにご存知かと思います。ところが、これは法定祝日改革の第一歩で、次は国慶節連休に手をつける考えもあるらしいのです。

全国政協委員でもある清華大学休日改革問題責任者の某教授によると、メーデー連休の廃止はゴールデンウィーク改革の第一歩であって、元々は2つの連休を同時に廃止する案だった。更に、春節連休についても、検討を加えていく。と語っています。

一方、この国務院令とは別に労働年数に応じた有給休暇も同時に制定されました。
分散化された祝日と有給休暇をつなげれば、今までのように国が決めた一週間もの連休に人や物が集中したり、経済活動(特に金融関係)が長期間停頓することも避けられるメリットがあり、そこが当局の狙いなのでしょう。


脾気(ぴぃちぃ)

2007-12-19 17:50:30 | 生活一般
脾気(ぴぃちぃ)とは、ヒステリー・癇癪のこと。ヒステリックな人を評して、「脾気非常大」とか言う。
中国女性は一般的に脾気が大きく、些細なことに大声で騒いだり暴れたりする手合いもおり、中国男性の大きな悩みのひとつだ。

新聞に掲載されていた話。
友人の子供が結婚することになり、40数歳の鄭さんの家にも披露宴の招待状が届いた。
おめかしして参加しようと、肩まであったストレートの髪型にパーマをかけ、色も黒から金髪に染めようと考えた。会社の同僚にもすすめられ、300元を払って希望どおりの姿に変身し帰宅した。
ところが、旦那から「まるで毛唐みたいだ。黒髪のほうがずっといいぞ。」と言われ、脾気大爆発。
ハサミを取り出すと、自分でザクザクと乱髪に刈り込み、あっという間に禿げ頭のようにしてしまった。

個人所得税について(2)

2007-12-14 12:06:33 | 経済
前回のニュースを読まれて、中国税務当局の徴税動向の一端を感じてもらえたかと思います。
ただし、これは高額所得者に対するものです。日本では、低所得又はパート・アルバイト就業者を除く給与所得者は、多かれ少なかれ所得税を支払っていますよね。ところが中国の大多数の給与所得者(月収2000元以下)は全く所得税を払っていないはずです。

中国の個人所得税は課税所得に応じて、5-45%の累進課税率が適用されます。(例えば、課税所得が500元以下なら5%、10万元を超えると、税率は45%)
課税所得算出にあたっては、収入から個人負担した社会保障保険費用が控除されるほか、青島市の場合1600元の基礎控除がみとめられるため、2000元程度の収入では課税所得はゼロ又は100元に満たない金額となり、ほとんど納税しなくてすむのです。

一方、中国に一定期間以上居留の日本人は、日本国内受領分給与も課税所得に合算されるため(年間通算滞在期間が短期の場合は例外措置あり)、この高累進率により多額の所得税を負担しなければなりません。

青島に居留する外国人は9万人弱。ほとんどが韓国人(長期滞在者約8万人)と日本人(同約3千人)。収入の無い帯同家族や留学生もいますから納税義務者の実数は不明ですが、例えば納税義務者が3万人として毎月一人あたり1万元納税すると(個人所得税は翌月10日までに前月分を申告納付しなければならない)、毎月3億元の税収です。
前回のニュースに今年11ヶ月間の税収が21億元とありましたが、私はその税源の圧倒的多数は外国人居留者だと睨んでいます。


個人所得税について(1)

2007-12-13 11:15:32 | 経済
年収12万元以上の個人は、前年度の所得を1月1日から3月末までに所轄の地方税務局に自己申告しなければならない。地税局では2008年度個人所得の自己申告がまもなく始まることから、徴収もれのないように着々と準備を進めている。
収入のある個人はすべて個人所得が徴税基準に達しているか否かにかかわらず、その全収入については(雇用者の)源泉徴収や個人申告を通じて全部税務機関で管理する。これを「全員全額明細申告」と称し、金融・不動産などの高額所得者は、特に重点に地税局の監視ファイルに登録。この制度により、ゼロ申告現象を解決して個人所得税の税源監視力を高めたいとしている。

ここ数年、青島市地税局は個人所得税の徴税管理を強化し、税収は大幅に増加。個人所得税の税収は「営業税」「企業所得税」に次いで第三の主要税種目となっている。
市地税局は2003年から市内の一部企業に対して、個人の身分証明書番号をもとに徴税管理システムを構築し、収入や納税の有無・納税累計額などの状況分析が可能になっている。
現在までに約9万の企業が登録され毎月の納税申告者に関する情報は180万件。これらは全て徴税管理システムに収められ、自主申告漏れや企業の源泉徴収漏れ・所得隠し等の脱税行為摘発の有効な手段となっている。

「全員全額明細申告」制は、高額所得者に対して有効な監視制度で、金融・保険・石化・電信・電力・不動産などの高収入業種は重点監視範囲となっている。地税局はこの制度を質的量的に向上させるため、全ての源泉徴収義務者(つまりは企業側)を登録させようと努力している。更に来年には、この範囲を全ての市民に拡大したいとしている。

今年2008年は自己申告制度の第2年目にあたるが、来年初の申告者は今年よりも増加が予想される。地税局は、企業の高額所得者に加えて、監視範囲を証券取引所や不動産取引センター(注;ここで不動産登記を行う)に広げることにしている。地税部門は3万5千通の年賀状を印刷中で、高額所得者に向けに送付し申告を促す計画。
今年の市地税局の個人所得税収は、先月までの11ヶ月間で21億6850万元(約320億円)。昨年同期比27.8%の増収で、昨年度の税収を既に13%も上回っている。全市民の個人所得税平均納税額は282元、就業者平均では892元となる。

タクシーの呼び出しサービス

2007-12-11 16:16:07 | 生活一般
青島市では来年1月からタクシーの呼び出し利用が可能になりそうだ。
市の運管局発表によると、来年1月末までに4000台のタクシーにGPSを設置。市民から要望があれば、このGPSシステムを使い、最も近くにいるタクシーを希望者の門前まで迎えに行かせることが可能になる。

現在市内6カ所で一日大体50-70台の設置を行い、来週からは100台に設置スピードをアップする。そして来年1月末までに4000台のタクシーに設置を完了する予定。
GPS設置は原則無料で行い、設置申請は個人・企業・協会の3様式で、GPS設置の車両に対しては、シートカバー洗浄などのサービスを提供する。

このGPSの効用にはかなりの期待が寄せられている。例えば迎客の他に、どこが渋滞しているかを通知したり、タクシー強盗に遭った際はこっそりと通報することもできる。そのために、ハンドルには小さなボタンが設置されている。
タクシー協会によると、GPS運営センターは既に完成しており、大きなスクリーンにはタクシーの運行状況を映し出すことが可能で、乗車拒否や遠回りの防止にも役に立つとのこと。

尚、冒頭で紹介した迎客費用だが、現在上海では一部の企業が1回4元のサービス料を徴収している。この上海方式を参考に1-4元のサービス料を徴収することになるらしい。

タクシーに監視カメラ

2007-12-04 16:16:15 | 生活一般
重慶市のあるタクシー会社が保有する1200台のタクシー車両の内、既に200台に監視カメラとGPSを設置、今年中に残る1000台にも設置する予定だという。
カメラは車内に見えないように設置され、乗客がドアを閉めると自動的に乗客の写真が写され、そのデータは監視センターへ伝送される。画像は監視センターで30日間保管、その間何もなければ自動的に消去される。
このシステムには更に会話監視機能もあり、運転手が不審な乗客と感じたときは、ボタンを押せば監視センターで運転手と乗客との会話内容を全て聞き取ることが可能。この機能は運転手の不文明な(行儀の悪い)会話も監視できる。たとえ運転手がボタンを押さなくても、監視センターが異常を察知したとき又は運転手の行為を調べたいときは会話監視システムを起動できる。

重慶市タクシー業治安保衛委員会秘書長によれば、乗客の利益に対しても、一種の保障になるという。たとえば乗車拒否等のクレームや忘れ物について追跡調査することが可能。この会社のタクシー1200台で効果を見極めて、2-3年以内には全市のタクシーに導入を予定しているそうだ。

中国でタクシーに乗った経験がある人なら誰でも知っているが、運転席は鉄格子又はプラスチック板で覆われていることが多い。考えようによっては、乗客席が覆われているとも言える。料金はわずかな隙間から支払う。もちろんタクシー強盗の予防措置。タクシー強盗によっては運転手の現金だけでなく、車も盗んで色を塗りなおし「黒車」として売り払う。その頃運転手は大概この世にはいない。
実際このシステム導入により、あるタクシー運転手は、「真夜中に辺ぴなところまで乗せる時、以前よりはびくびくしないで済むようになった。」と言っている。

タクシーに監視カメラが設置されるというのは何とも驚きだが、一部の新聞からは乗客のプライバシー保護を懸念する声も聞かれる。これに対して、タクシーも銀行や乗合バスと同様に公共サービスを提供するものだから、監視カメラ設置には何ら問題無いと同社では回答している。
中国の個人プライバシー保護に対する考え方がわかる実例。公共の安全(この範囲はかなり広いよ)のためなら、多少のプライバシー侵害は一顧だにしないのです。
それにしても、「中国のタクシーが公器だって?自分に都合の良い時だけ公器扱いするな!」