時、うつろいやすく

日常のたわいもない話…
だったのが、最近は写真一色になりつつある。

3.『紀元5000年』 環境

2009-11-28 20:55:00 | 創作

この宇宙船は貨物船を改造して造られている。
そのため広さにはちょいとばかし余裕がある。
住空間だけでも巾7m×長さ38mもある。
六人家族の平均的住宅スペースの約2倍といったところだ。
それ以外にも小型のスポーツジムとシアターがある。
スポーツジムは巾7m×長さ12m、シアターは巾5m×長さ9mある。
操縦室、研究室、資料室、機械室、倉庫まで入れると約1500㎡の広さになる。
船内を一周するだけでもいい運動になる。
本来の恒星間飛行は長期間睡眠に頼っているため船内のスペースはいたって狭苦
しいものとなっている。
そのため乗組員は降船後長期にわたる心身のリハビリが必要とされる。
また、リハビリが終っても約7%の乗組員になんらかのトラウマが残るといわれている。
トラウマの症状は様々だが、トラウマ患者の実に8割が降船後三年以内に自殺してい
るという驚くべき報告がある。
その原因が長期間の飛行そのものによるのか、あるいは長期間の睡眠によるのか、
今のところ確実なことは分っていない。
そんなこともあって、この宇宙船は贅沢な広さとなっている。
極力、長期間睡眠に頼らず、惑星での生活に近いライフスタイルを送れるような
住環境を造っている。
なのにペットがいないのはおかしい、というのが息子の言い分である。

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2.『紀元5000年』 窓

2009-11-28 01:10:41 | 創作

昨日、息子が犬を飼いたいといった。
昨日というと誤解を招きやすいがこの船にはちゃんとした日付が存在している。
一日の時間は私たち家族が生まれ育った惑星の運行を基準にしている。
演出とはいえ、律儀にも昼と夜の区別もある。
ランダムな気候変化もあるし、惑星で得られるような四季の変化もある。
部屋を仕切っている壁には擬似窓があり、そこからお望みの風景を眺めることができる。
窓からは時刻と気候と四季に応じた太陽光さながらの温かい陽射しが差し込んでくる。
目覚めにはさわやかな朝日を浴びたいものだ。
金属の箱の中で重苦しく目覚めるのはごめんだ。
話がだいぶそれてしまった。
息子の話はまた今度にしよう。

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