QAZのつれづれ日記

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萩原朔太郎とマンドリン

2020年09月15日 | 音楽


日本近代詩の父と言われる萩原朔太郎、私は詩にはまったく興味がありませんが、趣味でマンドリンを弾きますのでこの大詩人がマンドリンにも秀でていたことに少なからず関心と興味がありました。

萩原朔太郎(1886-1942)

手元に前橋文化館特別企画展を記念して出版された2010年発行の「萩原朔太郎の音楽」と題する96頁の書籍があります。


朔太郎は音楽に関しても断片的にいろんな雑誌等に多数著作を遺していますが、氏の音楽、殊にマンドリンに関して豊富な写真や楽譜を含んでこれだけまとまった資料は他にないと思われます。

書中の音楽年譜によりますと朔太郎は17歳旧制中学のとき銀座十字屋で父よりマンドリンを買い与えられました。
25歳のときには比留間賢八、田中常彦、サルコリといった当時のそうそうたる人物にマンドリンを習い、29歳のときマンドリン合奏団「ゴンドラ洋楽会」を組織しました。

この「ゴンドラ洋楽会」は後に「ゴンドラマンドリン倶楽部」、さらに「上毛マンドリン倶楽部」と改称され、現在の群馬交響楽団や前橋マンドリン楽団、群馬マンドリン楽団、高崎高校マンドリンオーケストラの源流になったと言われています。

氏の作曲作品にマンドリン独奏曲「A WEAVING GIRL(機織る乙女)」、親友の室生犀星の詩に曲をつけた「野火」が知られています。

機織る乙女 自筆譜の冒頭部分


「野火」は楽譜が遺っておらず口伝で伝わって後世採譜されたそうです。


(野火のYouTube動画がうまくこのブログに貼り付けられません。演奏動画はお手数ですが右記URLにアクセスしてご視聴ください → https://www.bilibili.com/video/av7387798/ )

朔太郎はマンドリンの指揮者、奏者、作・編曲者としてだけではなく
・マンドリンを知らない人のために(ゴンドラ洋楽会入会案内)
・マンドリン奏法の要訣
・マンドリン練習者へ
などの資料も著しています。

朔太郎は1922年刊行の「新しき欲情」の中で「七の属和弦に於て」と題して、音楽が属七和音から主和音へと解決を図るがごとく現実世界においても不安から安心への解決の準備が必要なのではと語っています。
音楽の専門知識として和声法を習得してこそ表現できる内容と思います。

朔太郎の娘、萩原葉子(1920-2005)の著書「父・萩原朔太郎」によれば、朔太郎は晩年自宅で晩酌を終えたあと葉子さんにマンドリンとギターを用意させ朔太郎がギター、葉子さんがマンドリンで合奏をしたそうです。

朔太郎が葉子さんに買い与えたマンドリン

萩原葉子の著書は「父・萩原朔太郎」のほか「天上の花」、「花笑み」、「束の間の午後」、「蕁麻の家」、「閉ざされた庭」、「輪廻の暦」、「朔太郎とおだまきの花」などを読了しています。
すべて自伝小説となっています。
葉子さんのご子息、萩原朔美(1946-)は多摩美術大学名誉教授、前橋文学館館長で著作も多数ありますが、その中には「死んだら何を書いてもいいわ 母・萩原葉子との百八十六日」があります。
萩原家親子三代、非常に複雑な家庭環境が垣間見えます。
前橋市では毎年朔太郎音楽祭が開催され、マンドリン合奏が演奏されています。

「私の希望は音楽家になることであった。もし私に少しでも音楽の天分があったら、勿論私は音楽家になる筈であった。」(朔太郎36歳の言)

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2 コメント

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そう言えば… (原左都子)
2020-10-08 19:13:20
QAZさんのマンドリン発表会へ立川まで行かせて頂いてから、何年の月日が流れたことでしょう。
QAZさんはその後も、マンドリンの演奏をなさっていますか?
我が娘はIT技術者として企業勤務後既に5年の年月が流れております。 コロナ禍にも係わらず未だ正社員生命を繋いでいる事実に、母として安堵する日々でもあります。
お互いに旅に出れないコロナ禍と察しております。 かなりストレスが溜まりますよね?
まとまらないコメントで恐縮ですが、今後ともQAZさんのご健康とご活躍を楽しみにさせて頂きます!
萩原朔太郎とマンドリン (QAZ)
2020-10-08 19:44:37
ごぶさたしております。
11月恒例の定期演奏会、地域のお祭りも今年はすへて中止です。
毎日が籠の鳥状態で脚力も弱ってしまいました。
ほんとストレスが溜まります。
早くこの状態を脱却したいですね!
寒くなってきますがどうかご自愛のほどを。

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