日本の石棺仏の大部分は播磨地域に、中でも殆ど加西市とこの加古川市に集中している。
山陽道と国道2号線に挟まれた加古川北岸に近い加古川市平荘町小畑にある長楽寺には加古川を代表するような石棺仏がある。
長楽寺は県道65号西山交差点近くの山手側、小畑集落の奥まった山裾の高台に建っている。
本堂左横の古い墓地に誰でもそれと判るような縄掛け突起を見せて、この六尊石棺仏が立ち尽くしている。
加古川市の石棺仏の特色の一つは像自体は小ぶりな多尊石仏が多いと言うことらしくまさしくこの石棺仏はそれに叶っている。
石棺は高さ183cm、幅121cm、厚さ28cmの大型家形石棺蓋内面に六体を二体一対で三段に分けて彫り刻み出している。
前壇には小型の石棺を置き供台としているがこんな例は余り見かけない。
上部二体は阿弥陀如来坐像
その下の段には二体の地蔵菩薩立像
最下段には右に立像の地蔵、左・・・・・、これは何だろう、やっぱり地蔵坐像のような???
合計六尊、写実性には乏しいが意匠的には優れ、なんとも素朴な風情をかもし出している。
撮影2008.9.13