前回の西一分より北へ約2km、谷田地蔵堂にも二基の十三仏種子板碑や、多くの石造物が安置されている。
近鉄奈良線生駒駅と東生駒駅の中間辺り、すぐ西側に観音寺の立つ小高い丘があり、その西裾、民家が密集する旧道脇、観音寺参道下に大きな覆屋を懸けた地蔵堂がある。
中央に立つ十三仏種子板碑は舟形整形の花崗岩に枠を取り、三段四列の蓮座上月輪に十二仏の種子を陰刻、上部中央に一周り大きな虚空蔵種子仏を置く。
高さ125cm、下部空間には室町後期 天文十九年(1550)銘と25人の法名を刻む。
向かって右側の十三仏種子板碑は同じく舟形枠取り内に同様に種子仏を刻み込むがこちらは三列四段上に虚空蔵菩薩の種子を刻む。
下部の銘は永禄十年(1567)と少し新しい。
堂内左脇手に立つ阿弥陀三尊石仏と五輪塔板碑。
阿弥陀三尊は高さ85cmの舟形石に、来迎印阿弥陀立像を中尊に左右に観音勢至の脇侍を刻むが・・・勢至の頭部などは剥離するほどに風化が進んでいる。
三尊共に中肉彫りで室町後期の造立だとか・・・。
隣の五輪塔板碑は水輪より上部を欠損するも、現高95cm、幅32cm、荒削りな彫法が時代を偲ばせる。
下部に鎌倉中期の文永五年(1268)の銘が在り貴重ですが、肉眼では判別難い。
撮影2012.6.10