今年の3月の合併で新しく、木津川市となった、旧加茂町銭司は我が国の古い貨幣として知られている「和同開珎」(わどうかいちん)を鋳造していたところで、奈良時代の鋳銭司はいわば現在の造幣局に当たり、銭司(ぜず)の地名は、この鋳銭司に由来するものだそうです。
この地は木津川、それに平行して走る国道165号線、背後に迫る山の間の地に開けた斜面の集落です。
前を走る国道165号線の交通量は多く、ここを良く走る僕でもなかなか寄りづらい所です。
国道から集落への進入道がわかりづらく、狭小すぎてついついとおりすぎてしまいます。
意を決して入った道がそのまま集落を抜け、春日神社の前まで続いていました。
もちろん農耕用の軽四が主流の道なので運転に自信のない人は国道から歩いたほうが賢明でしょうが??
田舎の神社では必ず軽四が境内近くまでいける道が付けられているのが常でここも、こんなところにまでもと思われる程に車で上ってしまいました。
森閑として時間の止まったような空間、木の根道の参道には正月用の白砂が撒かれ、勧請縄は境内に上がる中段の入り口近くの樹に掛けられていました。
しかしこの勧請縄は初めて見る形です。
縄の下全体に地にまで届くほどの網を張っていてまるで誰も通さないといわんばかりの厳重さです。
網目のところどころには御幣と青い木の葉がつけられていました。
神さびた古い形を良く残した神社のように思えます。
撮影2008.2.16