春先には水仙の野花が咲き乱れる棚田としてすっかり定着してしまった梨子ヶ平の棚田は、本来の黄金が斜面を埋め尽くす景観は望むべくも無いが、それはそれとして棚田の有効利用を果たして棚田が山野に帰ってしまう悲劇からは逃れているようです。
越前岬の北端に近い梨子ヶ平は越前海岸沿いに走る国道306号線を敦賀方面から北上して来ると越前岬を越え最初の集落、左右集落の中程に有る脇道を右折、道なりに山を駆け上がっていくとパッと目の前が開けて梨子ヶ平集落の入り口と思しき辺りに出遭う。
三方を山に囲まれその斜面中段を道路が取り巻くように走り、集落はその下方にこじんまりと軒を並べている。
山紫水明、目の前に広がる越前海岸を見降ろす高台の梨子ケ平は、平家の落人の隠れ住んだ土地で徳川幕府の直領として栄え棚田の枚数も1000枚を下らなかったとか??
集落以外の全ての斜面は棚田に埋め尽くされていると言っても過言ではないほど広がっているが、殆どの棚田が水仙棚田となって僕の訪れたこの時期には見る影も無い
この地を訪れた刈り入れ時の9月中頃、ほんの一握りの棚田で稲穂が黄色く実っていた。
現在約15戸の農家が棚田の維持管理にに当り、また水仙田のオーナー制度も実施され活性化を図っている。
ブルーの網が掛かったハウスは水仙球根の保管場所なのだろうか??アチコチに点々と見える。
刈り入れ時期の日曜日だと言うのに、こうして農作業をしているのを見かけたのはたったこれだけ。
それでも此処は「日本の棚田100選」に選定されている。
一面に水仙の咲き誇る時期に訪れたらまた違う印象を持ったのだろうが・・・・
撮影2010.9.18