田圃の真ん中、背の高い屋敷林と石垣(土塁)に囲まれ、いかにも由緒有り気な茅葺き民家。
伊賀市東部郊外、木津川支流、柘植川と合流する滝川に沿う県道2号線、壬生野小学校近く……広い田圃の真中を屋敷への進入路が真っ直ぐに伸びる。
ここは伊賀市川東地区は伊賀忍者の故郷、この地の丘陵上に在った「壬生野城」を中心に忍者屋敷が点在していた。
ここは、そんな一つの「澤村氏館」、勿論忍者屋敷と言っても一般的な土豪の館で、砦の一部と成って居た様です。
この地に点在していた同様の館の内、現在も昔日の面影を一番良く伝えて居る。
澤村氏は平安期以前からこの地に土着していた土豪、江戸時代には「忍び」をもって藤堂家に仕え、一族の澤村甚三朗保祐はぺりーの黒船を探索したと云いわれる。
現在も子孫の方がお住まいで屋敷内は非公開に成っており、土塁と背の高い屋敷林に遮られ全容を窺い知ることは出来ない。
大きな伊賀型茅葺き屋根を持ち、現在にまで脈々と続く歴史の重みを感じない訳には行かない
撮影2013.5.5