岩手県平泉、中尊寺境内に立つ古式な石造宝塔。
この石造宝塔は中尊寺の子院の一つ、願成就院(がんじょうじゅいん)の峯薬師堂脇に目立つことなく建っていて、観光客の殆どは眼を向けることもない。
<正面>
石造宝塔はまるで五輪塔を思わせるような簡潔素朴な造り、安山岩製の高さ125cm。
まるで素人の僕の眼にも、その古式さや、単純明快で洗練された美しさが伝わって来る。
頂部の相輪部は請花・宝珠とし、分厚く端正な笠石と一石で造り出され、優雅で力強い
塔身は低い壺型、四方に大きく月輪を陰刻した中に金剛界四仏の種子を薬研彫にしている。
笠石の一角が欠損しているのは悔やまれる。
洗練された美を持つこの宝塔は平安時代後期の造立として学術的価値も高く国の重要文化財に指定されている。
撮影2012.9.22