愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

東近江市 旭野神社七重石塔

2015年04月10日 | 石塔:石造物

湖東、東近江市西端、蒲生野、上麻生、「旭野神社」に建つ七重石塔です。

日野川右岸、蒲生野の古い歴史の農村地帯・・・・以前にも勧請縄を訊ね、訪れたことがある。

明治の廃仏稀釈までは十禅師権現と言い、明治9年に旭野神社と改称されたがどう境内には今でも法雲寺と称する寺院が残されて居る。

十禅師は日吉大社上七社の一つだと言う・・・・。

また古くは半島からの渡来人が石作りの技術を持ち込んだとされる古い土地柄、古い優れた石造品が残されているのは納得出来る。

七重石塔は寺と神社を分ける石鳥居の右脇に何の飾り気も無く健ち尽くしてる。

多分正面は北向きになって居るが、据付移動の間違いか?初層軸部、金剛界四仏の種子の「キリーク:阿弥陀」を薬研彫りしている・

屋根石は力強い反りを持ち鎌倉期の特徴を遺憾なく伝え、上端に反り花を持つ基礎石には正面「孔雀紋」の格狭間がある。

背面、南面初層軸部には「ウーン:阿閦如来」と右脇には元徳元年(1329)の紀年銘があり、基礎格狭間内には端正な三茎蓮が刻まれて居る。

本来南面の「タラーク:宝生如来」を薬研彫りする西面初層部・・・・格狭間内の模様がそれぞれ違って、丁寧な仕事ぶり。

端正で力強く、高さ279cm、鎌倉時代後期の造立で、市の文化財に指定されて居る。

撮影2012.11.9