津市美杉八知、長楽寺で見掛けたいたずら坊主の様な青面金剛の庚申さん。
長楽寺は、2009年台風18号災害により未だにバスでの代行輸送のJR名松線矢知駅を南西に約1km足らず、雲出川左岸の高台に有る曹洞宗の古刹。
寺伝の伝える処に依ると、壬申の乱の時、地元民に助けられた大海人皇子、後の「天武天皇」がその恩に報いて白鳳10年(681)に七堂伽藍建立、七堂伽藍をそなえた長楽寺を贈ったという・・・・・後、この寺は信長の兵火にあって消滅。
その後も焼失が重なり、現在は本堂に薬師堂?を残すのみ・・・・
そんな大伽藍時代を偲ぶように八知の家並を見下ろす高台の長楽寺は「大御堂」とも呼ばれ、地区名にも成っている。
そんな境内で見付けた石仏は「享」の字がよく目立つ江戸後期の青面金剛像。
三猿の上に立ち四臂の簡略型で特筆すべき事もない。
寺墓への入口には大きな自然石を詰んだ石龕(せきがん) が有り、中に小さな二体一石の六体地蔵が並んでいた。
白鳳の大寺も今は田舎の山寺に過ぎない。
撮影2012.6.2