愛しきものたち

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奈良市 正暦寺泣き笑い地蔵尊

2014年12月22日 | 石仏:奈良

前回に引き続き再UPの石仏二体。

正暦寺南大門跡、巨杉を二本背に負うように二体の地蔵石仏が並びたって居る。

10年程前にUPした時にも書いたと思うが、標識には「泣き笑い地蔵」とあるものの、どちらが泣き面でどちらが笑い顔なのか良くわからない。

でもこうして見比べるとどうやら向かって左手が笑い面、右手が泣き面の様な気がする・・・一言、右とか左とか書いてあれば悩まずに済むものを。

向かって左手、舟形光背を持ち、室町期の特徴そのままの蓮台に載る像高116cm。

右手錫杖左手宝珠の定形地蔵立像・・・・光背面には享禄四年(1531)の銘があり、室町後期の造立。

深く肉厚に刻み出し、まとまり良いが、やっぱり時代なのか力強さと具象化には欠ける。

一方、多分泣き地蔵と思われる地蔵立像は、ほぼ隣の舟形地蔵に等しく像高110cmばかしの丸彫り立像。

一目見るなりこれは先日紹介の鼻切れ地蔵を手本にしたのではないだろうかと思える像容。

蓮台から頭光背までを一石で仕上げ、その光背にも蓮弁を刻んでる・・・・しかし体躯はちょっとずんぐりむっくり。

特徴ある蓮弁の形から天正頃の造立。

たぶん「鼻切れ地蔵」も第二室戸台風まではこの地蔵石仏と同様の姿で佇んで居たのでは??

石仏の脇に積まれていた石造物・・・・ここは背光宝筐印塔の多いのが特徴的です。

撮影2012.7.28

今回からのマップは、グーグルビューから入れる様に設定しました。

場所の特定はピンをプッシュする事により、その位置の地図に変わります。