暫く振りの石仏石造美術の紹介です。
奈良市都祁来迎寺に残された五輪塔と宝塔です。
大和高原、奈良県旧都祁村は我が近くに有って、事あるごとに想い出したように足の向ける土地。
根からの田舎人はやっぱり田舎の匂いの中、田舎の時間の中でしか、自分の居場所を見つける事が出来ないのかも・・・・。
来迎寺は旧都祁村中心、名阪針インターより南へ約2.5km、少し西にいった地にある古刹・・・寺伝によると僧「行基」により開創され、この地の豪族「多田満仲一族」や「東山内衆」の菩提寺として栄えたらしい。
しかし現在すっかり寺観は寂れ果て、小さな林に囲まれた山寺と成っている。
しかし本堂の裏、小高い台地に残された宝塔と五輪塔は地域の名品だと言われている。
特にこの大和地方では、それでなくても遺品の少ない宝塔は希少価値です。
高さ224cm、屋根と露盤は一石でつくり、露盤の側面は二区で各々格狭間を入れ、四面素面の基礎石の上に建つ。
基礎石正面には鎌倉後期の延慶三年(1310)、庚戌四月の刻名が有り、重要文化財指定。
一方宝塔の左手一体には約100基にも及ぶ夥しい数の古五輪塔が建ち並び圧巻を呈している。
中でも五輪塔群の最大塔は、高さ2.4m、鎌倉時代の力強さを見せつけている。
こんな田舎の山寺にまさかこんな名品が残っていようとは、誰も思わない程・・・
撮影2012.4.14