いかにも鄙びた山里の古式豊かな茅葺き屋根の佐久奈度(さくなどじんじゃ)神社御旅所です。
佐久奈度神社は先日紹介の禅定寺より道成に約10分強、琵琶湖より流れ出た瀬田川左岸に建つ式内名神大社で創建は天智天皇8年(669)という古社ですが、現在の本殿は江戸時代の再建され、昭和時代にに現地へと移築された。
本社地より南に約500m、県道783号線を引き返すと左手斜面、若王寺奥手に小さい茅葺き屋根が見え隠れする。
若王寺脇の参道を登って行くと正面に御社とも御堂とも見定め難い瀟洒な茅葺き屋根があり、正面には一対の提灯立てと腰板格子表戸があり、
中央に棧瓦の庇を突き出した切り妻の茅葺き屋根を乗せている。
この御旅所の建築も江戸時代のものらしいが部分的に旧社殿の古材が利用され、向拝の蟇股で牡丹唐草と揚羽蝶の図柄は古式を残しており、鎌倉時代中期の作かと推定され、大津市の文化財に指定されています。
ついこの間、この前を通りかけたら茅葺き屋根は新しく葺き替えられ、凛々しく成っていた。
撮影2013.6.22