愛しきものたち

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旧久居市桃園 宝樹寺の地蔵菩薩坐像石仏

2013年12月14日 | 石仏:三重

前回に同じく旧久居市桃園地区に残る鎌倉後期の地蔵石仏。

近鉄桃園駅より南方向へ約300m、集落外れに天台真盛宗の宝樹寺があり、前述の栄松寺に同じく真新しい本堂で迎えて呉れる。

良く整備された境内横、寺墓入口に立派な地蔵堂が建ち、堂内に安置、祀られて居る。

供台により最下部までは見えませんが、台座は三石に分けられ、最下に複弁反花座、敷茄子、その上三段うろこ葺きの蓮華座を設けて居る。

上に載る地蔵石仏は二重光背、蓮花紋円頭光、を持ち結跏趺坐、右手錫杖左手宝珠の定形地蔵ながら、木彫仏程の肉感や精緻さに驚きを隠せない。

総高217cm、像高84cm、光背に「願主 右衛門少尉 源 幹重」 「正和三年(1314)甲寅八月廿九日建立之」の刻銘がある。

大きく丁寧で存在感の有る造りは、かなり手馴れた腕前を持ち、「栄松寺」の地蔵石仏と同石工の作だと考えられて居る。

三重県の文化財指定・・・・、少し惜しい事に後背上部と鼻先口元の一部が欠損して居る。

撮影2012.4.1