愛しきものたち

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奈良市大和田町 榁木(むろのき)峠の地蔵石仏

2013年09月27日 | 石仏:奈良

矢田丘陵北端をかすめて通る旧伊勢本街道、榁木峠に立つ五尺地蔵とも称される峠の地蔵さん。

<榁木峠への登り口から生駒山を振り返る>

東大阪、平岡神社脇から生駒山を暗峠の難所で越え、再び登る矢田丘陵・・・・・・

その榁木峠で待っててくれるのがこのお地蔵さん。

現在峠下に切り通しを造り、酷道(国道)308号線が通じて居るが、その昔、この地蔵の前を石畳の伊勢街道がかすめて通じていた。

旅人達はこの石仏の前に立ち、眼下に広がる奈良の家並を目にして安堵の感を強くしただろう・・・・

そしてこの地蔵にこれから先の旅の無事を祈ったに違い無い・・・・、浪速へと急ぐ人はこれまでの旅の無事を報告したのだろう。

地蔵石仏は舟形後輩を背負い、円頭光を頂く凡そ等身大の定形地蔵立像。

その像容や前に置かれた花立てや供台に刻まれた銘などから、多分江戸中期の造立・・・。

一説に拠ると、暗峠下り道の応願寺の地蔵石仏は元、この地に在った物で、現在のこの石仏はそれに似せて造られた二代目だとか??

そう言われればそんな気もしないでは無いような・・・・・

撮影2012.2.28