先日紹介の真福院境内への石段参道左手、石段下手に隠れるようにして、三体の美杉型梵字石仏が並び建って居る。
向かって右には大洞石(おおぼらいし)角柱表面に阿弥陀三尊と地蔵三尊の種子を刻む珍しいもので総高180cmと、三体の中でも飛び抜けて背が高い。
上部に阿弥陀如来のキリーク、下方に観音菩薩のサと勢至菩薩のサクを刻み阿弥陀三尊とし、下部には地蔵菩薩のカと矜羯羅童子、制叱迦童子の種子を刻み込み地蔵三尊としている。
中央には前回紹介の梵字石仏を一回り小さくしたような 胎蔵界大日種子の梵字石仏。
頂部に自然石の笠石を置き、横幅一杯の月輪内に胎蔵界大日如来の種子「アン」を薬研彫とする。
総高約130cm、幅約55cm、両側面は素面と成っていて何もない。
上記二梵字石仏は共に鎌倉時代中期の造立。
左端の梵字石仏もよく似た像容、その頭に自然笠石を載せ、総高110cm。
こちらは蓮華座が簡素化された一茎蓮華に成り、線刻月輪内に金剛界大日如来の種子「バン」 を薬研彫で刻んで居る。
何もかもが手抜きされたような印象を受けるのは時代が下って鎌倉後期の造立のためか??
いずれにしてもここは美杉型梵字石仏のメッカに違いない。
撮影2012.6.2