生駒山麓東斜面中腹 、あの悪名高い国道308号線から一つ北側の谷一杯に広がる棚田が在って、その上部斜面棚田の中に民家が点在する鬼取集落。
役小角が葛城山で修業中、生駒山中の二人の鬼賊を捕えて戒めた所と言う伝説を持つ鬼取集落、深い斜面いっぱいに棚田が広がっている。
この地はすぐ裾野に市街地を控え山中と云えども決して不便ではなく、車さえあれば何の苦労もなく行き着く事ができる。
それ故ここから市内地への通勤も全く支障が無いためか、棚田はその大部分が転作や耕作放棄、最早棚田の原形すら留めない処も多い。
ここでは老齢化や集落の限界化が問題では無く、棚田での農業と言う辛い仕事に軸足を置かなくても良いと言う事なのだろう・・・。
遥か眼下に町の灯を見渡せる絶景、夏には蛍も飛び交うであろうが・・・
もう殆、原野に帰ろうとしている上段の棚田・・・・、自家消費の野菜畑に変わってしまった棚田も少なくない。
石積みが積年の苦労を偲ばせる。
集落の中央を駆け上がる急坂の右手には圃場整備が済んで直線に仕切られた棚田、此の部分では今もしっかり棚田として機能している。
この地には洒落たレストランや里山風情を求めて訪れる人達のためのお店が在り、週末などには都会の人達の癒しの隠れスポットに成って居るようです。
撮影2010.7.10