京都市内にも棚田があると言うことで出かけてみる事にした。
勿論京都市内といえども民家やビルの立ち並ぶ市街地に棚田があるわけも無く、右京区嵯峨越畑町と言う市内とは名ばかりの山また山の狭間、京都市街から行くよりも京都縦貫道で亀岡の先千代川インターで降り、R9、R477を経由、ちょうど火伏の神として有名な愛宕山の裏側辺りに入って行く。
途中R477から右折すると越畑集落の中心辺りに出会う、この辺りは京都市、亀岡市、南丹市との境界に近く、深い山懐に有って鄙びた里山の雰囲気を良く残している。
集落の中を行く府道50号線へ右折すると右手眼下一面に棚田が広がる
宕陰中学の有る前辺りには車を何台か置ける空き地が有ってこの辺りから見渡す棚田がベストポイントのようです。
此処を訪れた5月8日、山里の早い田植えが始まっていて、どの棚田にも水が一杯に張られ三々五々早苗が風にゆれていた。
地蔵山西側斜面を利用した棚田は約800枚、圃場整備がが行われたのか直線の幾何学的な棚田も多くちょっと艶消しの感も否めないが、畦道に残る稲木や弧を描き谷に落ち込む棚田も残り萱葺き屋根の見え隠れする集落と共に懐かしい日本の里山の風情をかもしだしている。
此処より道なりに北上、集落のはずれには棚田中段に素晴らしい萱葺き屋根の長屋門を持つ 京都市登録有形文化財「河原家住宅」が有って其の威容に誰もがふと足を止めて見たくなる。
なんとも懐かしい姿をとどめていて、それはそのまま時代劇映画の一コマ、江戸時代から時間の止まった様な景観を見せてくれている。
現在空き家だそうですが何とかこのままの姿をいつまでもとどめておいてほしいものです。
樒原は越畑の棚田をこえて南進約1km足らず、集落の入り口には小さな鎮守の原神社、道路を挟んで其の前一面に素晴らしく弧を描く棚田が広がっている。
水が入って鏡面のように輝く棚田、大きく弧を描く畦道、薫風にそよぐ早苗は例えようもなく美しい。
これもそれも人々が腰の曲がるほどに辛い作業を営営と続けてきたからの景観に他ならない。
帰りは そのまま府道50号線で保津川沿いにあの有名な観光地の嵐山に出てきた。
途中の六丁峠より見た保津峡
撮影2010.5.8
越畑の棚田
河原家住宅
樒原の棚田