愛しきものたち

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臼杵石仏 ホキ石仏第二群(2龕 ) 

2010年01月14日 | 石仏:九州

観光地化して石仏のテーマパークのような感は否めないけど、ここ臼杵の石仏は質量ともに日本の最高、最大の磨崖石仏群に違いない。

だだぴろ~い駐車場から、土産もの屋さんの立ち並ぶ参道?をしばらく行って左手山手に整備された階段を少し上るとこの石仏群の覆い屋が見える。

臼杵の石仏とはここが最初の出会いになるところ、石仏は確かに素晴らしいけど、どうしてもあまりに立派すぎる覆い屋や整備されすぎている周りの景観は気に入らない。

 覆い屋の正面の岩肌は左右二つの龕に分かれていて、手前右龕には九品の阿弥陀像と菩薩立像、右端には別彫のように見える不動明王座像。

磨崖はもろく、あちこちに大きな亀裂が入り石仏も大きく欠損して、印相なども良く分からないものが多い、しかし顔面や体躯の一部に彩色が残るものもあって嬉しい。

倚坐像の阿弥陀を中尊に多は全て立像で「左右各四体の阿弥陀九体仏、その両脇に各々菩薩像と天部像をおき、計十三体の石像を刻む」とあるが現状では左に如来像四体、右に四体の如来像と一体の菩薩像と、別壁に不動明王座像の計十一体が石仏として確認でき、この龕は鎌倉期の造顕になるという。

左龕には、像高約3mに近い阿弥陀如来坐像を刻み、脇侍として観音勢至を随える阿弥陀三尊の磨崖石仏で古園石仏の大日如来とともに臼杵石仏を代表する石仏とされており、ここ臼杵では最大の石仏です。

丸彫り近くまで彫り出され、丸顔、伏目で、定朝様式の阿弥陀像、脇侍の観音勢至も像高約2m、顔立ちは繊細で(個人的にはこちらのほうが気にいっている)平安中期の造立だとされています。

全体的に風化摩耗、欠落等も目立ちますがそれを差し引いたところで一見二見の価値はあります。

撮影2009.12.28