単体として聖観音石仏を見るのはこれが初めてかもしれない。
如意輪観音や、馬頭観音などはは民間信仰のそれとして、良く村々の辻堂で見かけたりはするものの、三尊形式の一体や西国33箇所などの石仏以外で聖観音石仏というのは記憶が無いのだが???。
いにしえの奈良を訪ね歩く山之辺の道に平行して走るR169号線、天理市街を橿原方面に抜けて暫く行くと三昧田、佐保庄という信号に出逢うがその左手に連なる集落が佐保庄でこの石仏のある旭寺跡はその北端にある。
民家と民家の間の奥まったところに墓地だけがあって中央の奥の小さな覆い屋にこの石仏が一体だけ安置されている。
端正な顔立ちで、頭上に化仏を頂く聖観音で高さ約130cm、像高は95cm、天文二十三年( 1554年)、室町後期の像立。
各夜覚円の名が刻まれており、奈良と初瀬を隔夜に修業した僧が発願したものとして知られています。
又この集落の中ほどの辻には優しい顔立ちが印象的な「関の地蔵」と呼ばれる地蔵石仏があって、六字名号板碑や上部を欠損した阿弥陀石仏が覆い堂のなかに安置されている。
撮影2008.11.9