愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

北摂の石仏-8 法性寺地蔵石仏

2007年04月12日 | 石仏:大阪

法性寺は、豊能町の北東部山裾の古刹で、鄙びた切畑集落を一望できる高台にある。

急角度の石段を登りきり、境内の左手にある墓地の前面この地蔵が立っている。

自然石に舟形の彫り込みをつくり、蓮華座に立つ像高70?ほどの地蔵立像を厚肉彫りしたもので、柄の短い錫杖と宝珠を持っている。

造建は鎌倉後期の正和三年(1314)、今から689年前、豊能町で2番目に古く、鎌倉後期の像らしく、整った写実的な秀作です。

地元ではカゲ引地蔵と呼ばれているそうで、下記のような昔話が残っているようです。

「昔、尼崎あたりの魚師たちが不漁にあえいでいたことがあった。しらべてみると北方の山頂でキラキラ光るものがあり、これが波に反射して魚が怖がって集まらないことがわかりました。漁師さんたちは尋ね尋ねてやっと探しあてたのが東能勢・切畑(現豊能町)の山頂にあったこのお地蔵さんでした。漁師さんたちのたっての願いで、現在の位置まで下ろしたら魚がまた取れだし景気も盛り返したという。」

これはこの地蔵の彫られている石が石英閃緑岩で、光を受けて石英がきらきら光ることからこんな話が生まれたのでしょうか??。

撮影2007.10.21

MAP