もう何年前になるかも,おぼろげな僕の小学校の頃、僕の地域の村々には、各村ごとに木組みの高い火の見櫓が在って、そのテッペンには半鐘がぶら下がっていた。
小学生の頃の餓鬼大将たちは、大人の禁止していることを遊びの材料としていた。
ため池での雑魚採り、遊泳禁止の木津川での水あそび等・・・・。
その一つが、火の見櫓登り・・・・。
小学校、低学年の子供にとって、火の見櫓のあの梯子への挑戦はガキ大将の肝試しであったのかもしれない。
夏休みの午後1番、ワルガキが4~5人誘いあって、大人たちの昼寝の時間を利用して、火の見櫓への挑戦、見つかってはの,大目玉・・・・・・。
この歳になって、あちこちにブラブラ出歩きいろいろなものを,見聞きするようになって、どんな片田舎に行っても ,あの頃、僕たちが親に隠れて登った木製の火の見櫓が無いことにきづいた。
鉄製のスマートな櫓がそれにとって変わり、半鐘も滅多なことではみかけなくなった。
それがつい昨日、奈良県桜井方面に出かけた時、たまたま入った喫茶店の近辺マップで見つけた。
国道166号線沿いの忍坂(おっさか)集落内は近畿自然歩道になっていて、旧街道の面影を残している。
舒明(じょめい)天皇陵の石碑の有る辻に立つと民家の屋根越しに大きな岩の塊と、この木製の火の見櫓が見える。
近づいて見ると、梯子の前に大きな岩があって、岩の後ろ側から、2本の丸太柱を立てて梯子は鉄筋を柱の間に渡している。
岩の前からは2段の梯子しか見えず、岩の上に登ると丁度大人の背丈ぐらいの所の半鐘が吊り下げられていて、岩の上から半鐘を撞いていたらしい。
僕らが子供の頃に登った火の見櫓はもっともっと高かった様に思うのだが・・・。
梯子の数は10段ぐらい、間が50cmぐらいだとすると約5m・・・・
やっぱり低いような気はするけど・・・・・。
それでも滅多に見ることのない木製の火の見櫓、今度又この辺りを訪れるときにも、ちゃんと残っていて欲しい風景です。
撮影2006.6.24